研究課題/領域番号 |
21K15757
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原田 太以佑 北海道大学, 医学研究院, 助教 (30796959)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 定量的磁化率マッピング / 高解像度化 / 脳静脈 / 鉄沈着 / アルツハイマー病 / MRI / ferroptosis |
研究開始時の研究の概要 |
認知症や神経変性疾患の病態には、ferroptosisという過剰な鉄による細胞死の制御機構が注目を集めており、アルツハイマー病(AD)で異常集積するアミロイドβやタウの凝集体形成は鉄による促進が病理学的に示されている。しかし、脳内鉄沈着の経時変化やタウやアミロイドの沈着量とどの程度相関するのかは明らかになっていない。そこで、鉄沈着の非侵襲的な評価方法であるMRI定量的磁化率マッピング(QSM)を用いて、ADモデルマウスやラットの三次元的な鉄定量解析法を確立し、その経時変化の追跡と組織学的なAβやタウとの相関を評価することで、ADの病態解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究ではferroptosisという概念に基づいて鉄沈着に伴う変性疾患の動物モデルでの研究促進のため、ADモデル動物における鉄定量の非侵襲的な評価法として、定量的磁化率マッピング(QSM)による解析を実施し、組織中の鉄沈着とAβあるいはタウの沈着を評価することを目的としている。マウス・ラットのような小動物でQSMを撮像・再構成することは過去の報告がほとんどないものである。昨年度までの検討ではQSMの撮像および再構成条件の最適化を行ってきて、当初の目標としていた撮像条件と解析の安定性に関しては一定の水準に達していると考えられた。しかし、脳実質の鉄沈着を正確に定量するためには脳血管(主に静脈)のデオキシヘモグロビンを画像中から可能な限り除外する必要があり、静脈が含まれている限りは微細な鉄沈着が静脈の磁化率によってマスクされてしまう。 現時点での解像度では脳静脈の描出が十分とはいえず、描出の改善のためには解像度をできる限り上げる必要性があるが、解像度を上げることによる信号雑音比の低下や呼吸等によるモーションアーチファクトが磁化率の評価にどの程度影響を与えるのかについての検討が不十分である。また、全脳を自動解析する際には静脈抽出をして、静脈を除外するアルゴリズムが必要と考えられるため、高解像度化による静脈描出の向上と並行して解析アルゴリズムの開発が必要である。昨年度から引き続き検討を行っており、今年度も引き続き検討を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記理由のため、解析時に静脈を除外できるような高解像度化の目処がある程度たったため、本年より動物実験に移行し、解析を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
高解像度化のために必要な設備や撮像条件の最適化、解析の最適化を随時進めているが、利用できるMRIがヒト用のMRIであるため、高解像度化には設備的な限界が存在する。本学施設における動物の撮像および解析を進めていくが、設備的な限界を突破がある場合には動物用MRIが利用可能な施設との共同研究を進める必要性もあると考えられるため、並行して検討を進めていく
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