研究課題/領域番号 |
21K15765
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
上野 嘉子 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (50625134)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 膀胱癌 / MRI / ダイナミックMRI / 造影 / 造影MRI |
研究開始時の研究の概要 |
膀胱癌の治療方針は局所深達度によって大きく異なり、各患者に応じた最適な治療戦略を 実現するためには局所深達度診断の精度が重要である。ダイナミックMRIは造影剤を静脈より注入し、一定の時間間隔で連続的に画像を取得する画像検査法で、組織の血流動態の把握に有用である。本研究は新たなMRI技術を用いて高空間・高時間分解能の3次元ダイナミックMRIの撮像手法を確立し、撮像断面と撮像時相の最適化を図ることで、従来よりも精度の高い膀胱癌の画像診断を行うことを目的とする。
|
研究実績の概要 |
初期検討として以下内容の検討を行い、成果を第83回日本医学放射線学会総会で発表した。
【目的】膀胱の3DダイナミックT1WI(DCE-MRI)において、ゴールデンアングルラジアルスパースパラレル(GRASP)シーケンスと従来のカルテシアンシーケンス(Cartesian)の有用性を比較検討する。【症例と方法】2016年5月から2022年9月に膀胱癌ステージングのため3T装置でDCE-MRIを受けた42人を対象に、GRASPとCartesianの影響を後ろ向きに評価。患者数(n=21)と筋層浸潤膀胱癌(MIBC=7)は各グループで一致。画像品質、動きによるアーティファクトの有無、ストリークアーティファクトの有無、腫瘍の識別性を5点リッカート尺度で評価し、SNRとCNRも測定。評価は放射線診断専門医が行った。これらのデータはマン・ホイットニーU検定で比較。また、膀胱腫瘍は5点Vesical Imaging-Reporting and Data System(VIRADS)スコアで評価し、ROC分析とAUCでMIBCの診断性能を検証した。【結果】GRASPではCartesianと比べて、画像品質(中央値:5対4, P=0.0001)、動きのアーティファクトの有無(5対4, P<0.0001)、腫瘍の識別性(5対4, P=0.0001)、SNR(31.3対16.7, P=0.0001)が有意に良好であった。AUCもGRASPが0.91で、Cartesianの0.88より高かった。 【結論】GRASPは膀胱DCE-MRIの画像品質を向上させ、MIBCのVIRADSによる診断性能にも良好な影響を与える可能性がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
inclusion criteriaに相応しない症例が何例かあるため
|
今後の研究の推進方策 |
症例数、検討項目を増やした本解析に向けて、統計学的精度を高めるため、引き続き症例収集を行う
|