研究課題/領域番号 |
21K15766
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
則兼 敬志 香川大学, 医学部, 助教 (90623223)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 心臓アミロイドーシス / PiB PET/CT / PET / アミロイドーシス / PiB |
研究開始時の研究の概要 |
心臓アミロイドーシスとは、アミロイドが心臓に沈着する疾患で、拡張障害を生じたり、不整脈を生じたりする致死的疾患である。アミロイドには複数の種類があり、それによって治療法や予後が異なる為、病型診断が必要である。また、重症度の評価も重要である。 本研究では、アミロイドイメージング剤の1つである、11C-Pittsburgh compound B (11C-PiB) を用いた陽電子放出断層撮影(positron emission tomography: PET)で、心アミロイドーシスの病型診断及び重症度評価、治療効果判定が可能かを明らかにする。
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研究実績の概要 |
11C-PiB PET/CTが心臓アミロイドーシス(CA)の診断およびAL型・ATTR型の鑑別に有用であるかどうかを評価した。方法は、CAを認めない患者16名、AL-CA7名、ATTR-CA31名に11C-PiB PET/CT検査を実施した。11C-PiB PET/CT PET試験では、11C-PiB注入直後に30分間の心臓のダイナミックエミッションスキャンを取得した。RIは、注入後15分と25分の間の平均PiB放射能濃度を注入後0分と20分の間の動脈時間活性曲線の積分値で割ったものとして算出した。SUV画像(10-20分および20-30分時)も再構成した。視覚的、半定量的に評価を行った。視覚的には、心筋に11C-PiBが血液プールより強く集積しているかどうかを評価した。半定量的には、病変部の心筋/血液プール比(MBR)を算出した。 心アミロイドーシス患者16名全員において、RI画像と全SUV画像の両方で11C-PiB取り込みは視覚的に認めなかった。11C-PiB取り込みはAL-CA患者7名全員、RI画像では28/31名で認めた。11C-PiBの取り込みは、10-20分と20-30分の両SUV画像でAL-CA患者7名全員、10-20分のSUV画像でATTR-CA患者26/31名、20-30分のSUV画像で24/31名にそれぞれ認められた。 RI画像及びSUV画像のいずれにおいてもCA患者のMBRの平均値は、非CA患者に比べ有意に高かったAL-CA患者の10-20分および20-30分のRIおよびSUV画像におけるMBRは、ATTR-CA患者よりも有意に高かった。RI、10-20分のSUV、20-30分のSUVの画像でAL-CAとATTR-CAを区別するためのAUC値はそれぞれ0.585、0.677、0.631で10-20分のSUV画像が最も有用であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り症例の蓄積ができており、初回例での検討は順調である。治療後の症例の検討がまだ十分でなく、今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
治療後症例におけるPiB集積についての検討を加え、治療前後でのPiB集積の推移や臨床的な治療効果判定との比較検討を行う。 更に、治療効果予測におけるPiBの有用性についての検討を行う。
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