研究課題/領域番号 |
21K15774
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
山崎 香奈 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 研究員 (50596624)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 新規膵癌PETプローブ / アミノ酸PETプローブ / 膵癌早期発見 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は新たに開発されたアミノ酸製剤の陽電子放出断層撮影(PET) 診断薬、[11C]MeLeu(11C標識メチルロイシン) を用いた早期膵癌発見のためのPET診断研究である。予後不良である膵癌診療の対策の一つとしては早い段階での膵癌検出であり、繰り返し施行可能で高感度かつ低侵襲の画像診断が望まれる。本研究では、新規アミノ酸PET/CTを用いた画像解析を駆使した新規画像診断法を創出する。目指す成果は現在膵癌診断に広く使用されるCT、MRI、FDG-PET/CTなどの画像診断の限界を克服する早期膵癌診断であり、膵癌生存率向上という「アンメット・メディカル・ニーズ」に応える研究であると考える。
|
研究実績の概要 |
昨年度の健常人における[11C]MeLeu first in human PET試験で安全性、体内分布、被ばく線量評価での有効性が示唆された。この結果を受けて、令和4年度は膵癌患者における[11C]MeLeu PET/CT試験の特定臨床研究プロトコル承認を得て、患者を組み込んだ。5名の患者が参加し、うち1名では製剤の適格合成ができなかったため除外となった。試験を遂行できた4名では、膵癌へのMeLeu集積がSUVmax=3.33±0.85(範囲;2.07-3.88)の集積が見られた。先行してFDG PETが行われた3名では、膵癌へのFDG集積は早期相でSUVmax=3.76±2.06(範囲;1.86-5.95)、後期相でSUVmax=4.35±2.27(範囲;1.91-6.40)であった。FDGに比し[11C]MeLeuの膵癌への集積は低い傾向であったが、4名中3名では化学療法が先行して行われており、治療による修飾が否定できない。一方、FDGで強い集積が見られた胆管ステント周囲の集積や骨粗鬆症性圧迫骨折などへの偽陽性病変に対する集積は[11C]MeLeuではほとんど見られなかった。上述のごとく、少数の患者における[11C]MeLeu PETの結果からは、膵癌への取り込みがやや亢進している可能性、およびFDGと比較し炎症などへの非特異的集積が低い可能性が示唆された。なお、[11C]MeLeuを投与した4名の患者全員において、有害事象は発生していない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は少数の患者において[11C]MeLeu PET試験を遂行できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
現時点では試験遂行例が少数であり、また、1名を除き化学療法中の患者であったため、[11C]MeLeuの膵癌への集積を正確に評価できていない可能性が考えられた。そのため、今後は可能であれば治療未施行の患者での試験を増やす。
|