研究課題
若手研究
MRIによる非侵襲灌流イメージングであるarterial spin labeling (ASL) は脳循環動態や脳の老廃物排泄機構の機能を定量的に評価できる.臨床利用には画質向上と撮影時間短縮が必要であり,深層学習を利用して問題解決を試みる.本研究では,深層学習による画像復元技術がASLの画質と機能情報に与える影響を解明し,ASLに特化した深層学習フレームワークによる高画質で定量的な画像再構成法を開発する.
本研究では,非侵襲脳灌流イメージングのarterial spin labeling (ASL) 法における低信号対雑音比とそれに伴う脳灌流パラメータの定量性低下,および低空間分解能の改善を目的に深層学習を利用した.特に,脳灌流パラメータを推定する回帰ネットワークの開発に重点を置いた.現在の臨床MR装置では多時相ASL撮影法が利用できないため,実データによる十分な学習データ量の確保が困難であった.そこで,ASL信号動態モデルを基にシミュレーションで学習データを生成し,教師あり学習によるパラメータ推定ネットワークを開発した.この手法は,健常被験者ともやもや病患者において,従来法よりも高い推定精度と雑音耐性を示し,定量画像における雑音低減効果も得られた.また,真値が利用できない実データを学習データに利用することを想定し,ASL信号動態モデルを含む損失関数を開発し,教師無し学習によるパラメータ推定法の実現可能性をシミュレーションデータと健常被験者データで実証した.さらに,臨床応用前の高画質化ネットワークのプロトタイプを開発するため,パラメータ推定ネットワークの開発と並行して健常被験者の画像収集を開始したが,研究代表者の所属機関変更によるデータ収集の一時中断に加え,使用していたMR装置が別メーカーに更新となり,データ収集の継続が困難になったために想定被験者数を満たせなかった.現在,別の共同研究機関において,使用していたMR装置と同機種の装置を使用してデータ収集を再開できる目途が立ったため,これから収集するデータも活用し,教師無し学習による画像ベース回帰ネットワークと高画質化ネットワークの開発を継続的に進める予定である.
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 8件、 招待講演 3件)
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