研究課題/領域番号 |
21K15802
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
|
研究機関 | 京都医療科学大学 |
研究代表者 |
石田 翔太 京都医療科学大学, 医療科学部, 助教 (50817559)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | Arterial spin labeling / 深層学習 / 磁気共鳴画像 |
研究開始時の研究の概要 |
MRIによる非侵襲灌流イメージングであるarterial spin labeling (ASL) は脳循環動態や脳の老廃物排泄機構の機能を定量的に評価できる.臨床利用には画質向上と撮影時間短縮が必要であり,深層学習を利用して問題解決を試みる.本研究では,深層学習による画像復元技術がASLの画質と機能情報に与える影響を解明し,ASLに特化した深層学習フレームワークによる高画質で定量的な画像再構成法を開発する.
|
研究実績の概要 |
本年度はシミュレーションデータを使用し,①教師あり学習によるASLパラメータ推定用回帰ネットワークの特性評価,②マルチパラメータ推定用回帰ネットワークの開発,および③教師無し学習用の損失関数の開発を中心に実施した.①前年度に開発した,教師あり学習によるASLパラメータ推定用回帰ネットワークについて,パラメータ推定の特性を評価して問題点を洗い出し,ネットワークを改良した.②マルチパラメータ推定用回帰ネットワークを開発し,従来法よりも精度・雑音耐性ともに優れることを確認した.特に,2コンパートメントモデルによる脳血流量および脳血液量の推定において,精度・雑音耐性の大きな改善が確認できた.③教師無し学習用損失関数を2つのモデル(1コンパートメントモデル,2コンパートメントモデル)を使用して開発した.いずれも十分な精度,および雑音耐性を有することが確認できた.しかし,教師あり学習による回帰ネットワークと同様に,パラメータ推定の特性評価によって,一部のarterial transit time (ATT) が正確に推定できない問題点が確認されたため改良を進めている.これらの一部の成果については既に学会発表および論文投稿を行った.また,未発表・未投稿の成果については学会発表および論文投稿の準備中である. 画像データ収集を継続して実施したが,当初の目標データ数までは届かなかった.諸般の事情により,追加データの収集が困難であるため,今後は現在までに取得したデータを使用し,深層学習ネットワークの開発を進める.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はマルチパラメータ推定用回帰ネットワークを開発し,その改良を進めた.同時並行で画像ベース回帰へ応用する予定であったが,マルチパラメータ推定用回帰ネットワークの開発に時間を要し,また,深層学習用のリソースが不足していたため,雑音除去および超解像用ネットワークの開発が遅れた.一方で,マルチパラメータ推定の精度および雑音耐性が担保できたため,画像ベース回帰に応用し,雑音除去と高分解能化を進める予定である.
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は以下の検討を柱に研究を進める. ① 収集済みの画像データを使用して画像ベース回帰ネットワークの開発. ② 教師なし学習用の損失関数の改良. これらの結果が出た時点で学会発表および論文投稿を行う.
|