研究課題/領域番号 |
21K15804
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
奥村 真之 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40895322)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線誘導がん免疫応答 / スクリーニング / 化合物ライブラリ / 放射線誘導免疫応答 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、あらゆる化合物の中から放射線誘導免疫応答を修飾する化合物を見出し、既知・未知のメカニズムを考察することが目的である。 レポーターアッセイを基に構築したHigh Throughput Systemを用いて、1.臨床承認薬、2.キナーゼ阻害剤、3.未承認薬を含む新規化合物のそれぞれに対し段階的にスクリーニングを行う。
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研究実績の概要 |
放射線誘導免疫応答を評価するHigh Throughput Screening系を構築し、その妥当性についてはPARP阻害剤をpositive control、副腎皮質ステロイドを negative controlとした検証を行った。それぞれ放射線単独と比較して免疫応答の活性化/抑制が確認され、実験系は妥当であると判断した。 上記実験系を用いて臨床承認薬のほぼすべてを網羅したFDA承認薬剤(2595化合物)をスクリーニングし、放射線誘導がん免疫応答への影響を定量化・カタログ 化した。さらに、薬剤併用の結果生じる免疫応答修飾のメカニズムをトランスクリプトームにて解析した。 薬剤スクリーニングの結果としては、19%の薬剤で放射線単独と比較して免疫応答が活性化、15%では免疫応答が半分以下に抑制された。抗がん剤についてはそ の作用機序ごとに免疫応答の活性化/抑制の傾向が分かれた。肺がんの同時化学放射線療法に使用される薬剤に着目すると、微小管脱重合阻害剤・白金製剤・ト ポイソメラーゼ阻害剤は免疫応答を活性化/維持し、ピリミジン代謝拮抗剤・微小管重合阻害剤・副腎皮質ホルモン剤は免疫応答を半分以下に抑制した。RNA seq でのGene enrichment analysisではこれらの放射線誘導免疫応答が主にType Iインターフェロン応答によるものであることが確認された。 この内容について2021年の欧州放射線腫瘍学会(ESTRO 2021)のPoster Discussionにて発表を行った(DOI:10.1016/S0167-8140(21)07327-8)。また、学術雑 誌に投稿し、掲載に至った(British Journal of Cancer, PMID: 35184156, DOI: 10.1038/s41416-021-01688-0)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目に予定していたFDA承認薬ライブラリの検証については結果を得ることができ、さらに学会発表、学術誌掲載に至っており、おおむね順調と判断した。一方、本基礎研究結果と臨床試験結果との相関性の確認はまだ十分でなく、今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本研究で評価した免疫応答が、周囲の免疫細胞の活性化を引き起こすことを検証するためにヒト末梢血単核細胞のmigration assayを行っていく。 さらにはキナーゼ阻害剤ライブラリを用いて放射線誘導免疫応答を評価し、免疫を増強・抑制する主要なpathwayを同定し、新規治療につなげる。 また、東京大学創薬機構ライブラリ(東京大学が企業と提携し作成しているオーファンドラッグ、新規化合物を含む40万化合物のライブラリ)を用いて放射線誘導免疫応答を増強・抑制する化合物をスクリーニングすることで新規ターゲット探索を行う。
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