研究課題/領域番号 |
21K15807
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永野 大輔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (70726520)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 腫瘍血管正常化 / 癌 / LPA / 血管新生 / 放射線治療 / PET |
研究開始時の研究の概要 |
悪性腫瘍内の異常な新生血管による低酸素、低栄養といった微小環境の悪化は様々な治療に対する抵抗性の原因となっている。申請者らは腫瘍血管を正常な血管ネットワークに制御することで治療抵抗性を改善させるという「腫瘍血管正常化」という概念に着目し、リゾホスファチジン酸(LPA)が薬剤到達改善、免疫応答の正常化をもたらす血管正常化因子であると発見した。LPAと放射線治療との併用効果については今のところ知見がなく、本研究ではLPAにより放射線治療効果を増強させ、LPAと放射線治療の併用による、悪性腫瘍に対する新規治療法の開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
LLC皮下腫瘍マウスおよびGL261脳腫瘍マウスに対してLPAを投与し、X線照射の抗腫瘍効果が増強するかどうか調べたが、グループ間で有意な変化は見られなかった。GL261脳腫瘍モデルでLPAを投与した腫瘍の薬剤取り込み変化をPET-CTを用いて測定した。トレーサーとしてFDG、FBPA(アミノ酸)を使用した。PET-CTではLPAによるトレーサーの取り込み増加は確認できなかった。X線照射との腫瘍切片を抗CD31抗体で染色し、腫瘍血管の形態変化を調べた。血管密度や血管系に明らかな変化は見られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性腫瘍内の異常な新生血管をLPAによって正常化することで放射線治療の効果を増強させることができるかどうかの研究を行った。今回行った一連の研究において、LPAによる放射線治療増強は確認できなかったが、今までの研究からは抗がん剤、免疫療法の増強効果は示している。臨床のがん治療は抗がん剤、放射線治療、手術、免疫療法など様々なモダリティを用いて治療が行われており、LPAは各治療モダリティを結びつけ、互いに増強し合い、治療困難な癌腫の治療成績向上に貢献すると考えている。
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