研究課題/領域番号 |
21K15810
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
松田 卓也 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (10837123)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 心臓CT / ダイナミック心筋血流CT / 放射線医学 / 画像診断 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は冠動脈血流の数値的指標をダイナミックCTPの冠動脈時間濃度曲線から算出する。複数フェーズのダイナミックCTP画像に3次元トラッキング処理を行う。自動追従を用いて大動脈と冠動脈の時間濃度曲線を得る。冠動脈の時間濃度曲線の最大傾きを大動脈の時間濃度曲線の最大傾きで除した値を冠動脈血流の指標 Coronary Flow Index (CFI)として算出すし、既存の血流低下指標である侵襲的FFRと比較する。
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研究実績の概要 |
本研究は過去に行ったダイナミックCTP研究の症例を対象とするため、対象となる症例の整理を行った。過去の当院のダイナミックCTP撮影を行った症例で核医学検査を行った群があったため、その症例を対象として考えた。これらの症例は過去の研究で本人同意をとっている場合があり、倫理指針との整合性を確認した。冠動脈が含まれる症例について画像処理を行い、計測方法や指標の算出手法の確認・整理を行った。近位部については撮像範囲に含まれないことによって計測が難しい例が比較的多く、末梢では薬剤負荷による高心拍でmotion artifactが強いことによって計測が難しい例が多いことがわかってきた。 結果として近位部・遠位部双方を計測できる症例が少なく、少ない症例で解析するか指標の見直しを検討する必要があった。また、予備として考えていた指標としてのTAGについても、近位が撮像外であったり、遠位部のmotion artifactが強いことから信頼性が低い可能性が高く、指標として不適切と思われた。統計的に有意な結果を得ることが難しい状況だが、可能な範囲の基礎的解析を続け、今後のための知見とすることを検討している。 より広い検出器幅のCTを用いて撮影時に冠動脈にも注意して撮像範囲を設定することで冠動脈全体の解析ができる可能性がある。また、遠位部のmotion artifactについては、優れた時間分解能・空間分解能を持つCTで解析できる可能性がある。本研究の手法はCT機器がさらに進化した将来には解析可能となる可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度においては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、大学構内での研究活動を一律で禁止するという制限が課せられていた時期があったことも遅延の要因となった。症例の整理に当初予想より時間がかかり、後ろ向き解析の対象症例の選定に時間を要した。画像処理に時間がかかり、予備的計測や測定手法の検討についても時間を要し、計測自体は一部症例で可能だったが、撮像外で計測できなかったりmotion artifactが強かったりしたことで多くの症例で解析困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
対象症例はある程度選定したが、計測値が得られない症例が多かった。また、TAGも信頼性が高いとはいえない状況であった。 薬剤負荷CTであるため撮像時心拍が早いことが要因で、高心拍症例に対するデータ取得が事前に検討していたよりも難易度が高かった。今後の研究に繋げるため、少ない症例でpreliminaryな結果として今後の研究に向けた基礎データを収集することを検討する。
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