研究課題/領域番号 |
21K15827
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 康之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50780805)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 生体認証 / 個人識別 / バイオメトリクス / 画像マッチング / 医用画像 / 画像認識 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の医療は高度化,複雑化をたどり,医療従事者による患者確認に限界を迎えています.「検査を受けた患者」と「検査結果に記載されている患者」は100%同一である,と胸を張って言えない状況です. 本研究は,検査目的に撮像された医用画像に個人を識別する情報を付加する技術の開発です.本手法は医療従事者,主に診療放射線技師の患者確認に要する負担を低減しながらも,画像検査を取り巻く医療行為への信頼および医療従事者への安心を与え「患者を間違って検査しない」ために非常に有益です. 現時点ではまだ臨床に即応できる状況ではありませんが,この課題にて臨床応用に求められる性能を獲得できるアルゴリズム開発を目指します.
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研究実績の概要 |
2023年は,胸部X線画像や体幹部位置決めCT画像を用いて深層学習による画像分類技術を応用した生体認証に関する基礎検討を行った.局所特徴点の数による生体認証性能の変化や,臨床画像データベースにて性能評価を実施した.胸部X線画像は撮影方向(後前,前後)毎,位置決めCT画像は撮影に使用するCT装置のベンダー(SIEMENS,GE)毎によるドメインギャップにて性能が低下することがこれまでの研究で懸念されている.本研究では,Deep Metric Learning によるドメイン適応を深層学習タスクに応用することを実施した. 評価方法は,データセット全体および各群に分類したサブセットについて,局所特徴点数を変化させて各生体認証性能を評価した.評価項目は従来法との比較のため,ROC曲線による解析および累積識別精度特性(Cumulative Match. Characteristics)曲線による解析を用いた.結果は,局所特徴点数1280点にて最大のパフォーマンスとなり,従来法では評価不能であった,胸部X線画像の撮影方向別,位置決めCT画像の装置別における識別性能についても評価可能であった. 以上の成果について"Journal of Digital Imaging"および"Journal of Imaging Informatics in Medicine" に論文を投稿し,受理された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
予定していた論文誌に投稿し,受理された.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に公表した論文では,位置決めCT画像の生体認証は体内金属が影響することをlimitationとして述べており,この対策は新たな深層学習モデル応用研究である. また,単一施設による本研究の高くない信頼性を向上するためにマルチセンター・スタディを検討する.
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