研究課題/領域番号 |
21K15828
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 (2022-2023) 神戸大学 (2021) |
研究代表者 |
矢田 隆一 浜松医科大学, 医学部, 特任講師 (50782421)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | インビボ線量計 / ミクロ線量計 / 定位照射 / リアルタイム測定 / 体幹部定位放射線治療 / ミクロサイズ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、1回あたり高線量を照射する定位放射線治療の適応が様々な部位に拡がっている。重篤な副作用を抑えながら、根治に必要な線量を照射するためには、照射中にリアルタイムで定量的に照射精度を評価できるシステムが必要不可欠である。私たちは、最善の方法はインビボ線量測定であると考え、輝尽性蛍光体を用いて世界最小サイズの線量計の開発に成功した。 本研究では、臨床に近い条件下で、人体を模擬したファントムを用いた測定とモンテカルロシミュレーションにより、線量測定システムを最適化する。さらに、3次元測定を可能にするために、複数点測定が可能なシステムを構築することで臨床応用が可能な線量測定システムの開発を行う。
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研究成果の概要 |
不均質物質中での測定精度を向上させるために、より人体に近い実効原子番号を有する蛍光材料を開発した。 KCl:Euは、これまで研究で用いていたBaFBr:Euよりも実効原子番号が低いにもかかわらず、X線に対してはるかに高い感度を示した。KCl:Euの蛍光の減衰時間が長い特性は、測定の再現性を悪化させたが、線量計システムの読出しを方法を工夫することで対処した。 KCl:Euを用いた線量計システムは、不均質物質中において良好な測定精度を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
私たちが開発してきた世界最小サイズの線量計は、これまでの線量計では困難であった、体幹部定位照射に特有の急峻な線量勾配を有する領域における高精度なリアルタイム線量測定を可能にする。したがって、体幹部定位照射での正確なインビボ線量測定を行うためには、私たちの線量計が必要不可欠である。 この線量測定システムを用いたリアルタイム測定により、究極の適応放射線治療を実現する。重篤な副作用を低減するとともに、体幹部定位照射の治療精度を高めることで治療成績の向上に貢献する。つまり、安全にこれまでよりも高線量を照射することが可能になる。
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