研究課題/領域番号 |
21K15832
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
林 奈津子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70736173)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | NBCA / 動脈塞栓術 / 硬化時間 / IVR / Lipiodol |
研究開始時の研究の概要 |
NBCA はリピオドールと混和 (NBCA-Lp 混合液) して重合時間を調整するが、実際の挙動は予測困難である。本研究では、様々な血流系を模した血管塞栓モデルを開発し、各々の条件下に NBCA-Lp 混合液を注入して、その挙動をハイスピードカメラで撮像する。最先端のコンピューター流体解析を行い、血管径や血流速度、注入方法の違いで混合液の cast 形成や fragment 遊飛がどのように異なるかを解析する。また逆流メカニズムを解析しカテーテルの固着が生じる因子を明らかにする。NBCA-Lp 混合液の詳細な動態を解明し、実臨床での動態と比較検証して最適な NBCA 塞栓術を構築する。
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研究実績の概要 |
NBCA はリピオドールという油性造影剤と混和して NBCA-Lp 混合液を作成し、重合時間の調整を行っているが、実際の血管内での挙動の予測が困難である。本研究では、NBCA-Lp 混合液の詳細な動態を解明し、実臨床での動態と比較検証して、安全で最適な NBCA 塞栓術を構築することが目的である。 初年度 (2021年度) は NBCA の硬化時間に影響を与える因子の検討を行った。一般的には NBCAの注入直前にカテーテル内を5%ブドウ糖液でフラッシュしてから NBCA-Lp 混合液を注入しているが、5%ブドウ糖液が最も適した溶液であるかを検証した。手技中に NBCA に触れる可能性がある溶液として、生理食塩水、5%ブドウ糖液、注射用水、乳酸リンゲル液、造影剤、血液(血清)を挙げた。それぞれの溶液の pH を測定し、静止系モデルにおいて、NBCA-Lp 混合液の硬化時間を測定した。次いで、血流モデルの作成を行った。過去の研究で使用した血流モデルを参考に NBCA-Lp 混合液の動態観察が可能なモデルの開発を行った。 次年度である昨年度(2022年度)は血流モデルを用いて注入実験を行った。回路にマイクロカテーテルを挿入し、フラッシュ溶液として生理食塩水、5% ブドウ糖液、ウシ血清を用い、その後にNBCA-Lp 溶液注入が可能か検証した。生理食塩水と5% ブドウ糖液はフラッシュ溶液として明らかな差がないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次年度において血流モデルでのデータ収集が概ね完了したことから予定通りに進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる2023年度は、初年度と次年度で得られた情報をまとめて学会発表および論文作成を予定している。 これまでの実験を通じて、血流モデル内での NBCA-Lp 混合液の挙動の解析がさらに必要と思われたため、上記に並行して追加実験を施行予定である。
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