研究課題/領域番号 |
21K15838
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木下 知 東北大学, 大学病院, 特任助手 (00836538)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 透析シャント / 狭窄 / wall shear stress / シャント狭窄 / 壁剪断応力 / computed fluid dynamics / 吻合角度 / 血液透析 / Wall Shear Stress / 内膜肥厚 |
研究開始時の研究の概要 |
内膜肥厚による動静脈シャント狭窄の主要因は①静脈内膜にかかる動脈圧と拍動圧による膨張②シャント形状に由来する異常なWall Shear Stressである。①に関してはある一定の膨張抑制が効果的とされる。②に関しては近年、鈍角吻合シャント形状によりWSSを低減可能との流体シミュレーション結果が複数存在するが、次の2項目(A)(B)の確立が喫緊の課題である。 (A)実際に狭窄を低減させるためのWSS値正常範囲)(B)WSS値正常範囲を実現する鈍角吻合シャント形状特徴の抽出 本研究では患者の血管造影画像及び流体シミュレーションを用いることで(A)(B)を解明し、狭窄を低減するシャント形状の確立を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では患者のシャント血管データを用いて流体シミュレーションによりシャント狭窄要因であるWSS値の算出を行うことでWSS値を低減可能な吻合角度の範囲の特定を行い、その中でも実際に生体で実現可能なシャント形状(吻合角度)及びその手技フローの提案を行った。また、提案するシャント形状は自然に維持することは不可能なため、本研究開発代表者らが発案したシャントカバーデバイスを生体内に装着し、想定シャント形状を維持可能であり、流体シミュレーションによりその形状は従来よりもWSSを低減できていることも分かった。これにより、シャント形状の改善及び形状維持機能を持つデバイスの基礎的有効性を示したと言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本製品の学術的意義及び社会的意義は、これまでなかった「根本的な狭窄の抑制」を実現し、AV シャント患者の狭窄の発症および狭窄治療を最大46%低減することである。また、患者は狭窄が減るだけでなく、従来の狭窄治療(バルーンカテーテルによる血管拡張)による再狭窄リスクも低減可能である。従ってAV シャントを有する血液透析患者のQOL 向上が期待される。また、透析管理を行う医療従事者(透析専門医、透析を実施する看護師および臨床工学技士、狭窄治療を実施する放射線診断医)に発生している狭窄リスク管理・治療対応などの業務負担を軽減可能となる。
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