研究課題/領域番号 |
21K15851
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
入江 隆介 順天堂大学, 医学部, 助教 (30750210)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Autism / Advanced diffusion MRI / Diffusion tensor imaging / Brain microstructure / Neuronal loss / Neuroinflammation / 拡散MRI / 自閉症スペクトラム障害 |
研究開始時の研究の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)は代表的な神経発達障害であるが、未だその病態や発症メカニズムは明らかになっておらず、ASD病態の解明・客観的ASD診断指標の開発は焦眉の課題である。脳MRI画像研究からASD病態と神経異常との関連が明らかになりつつあるが、単一の検査では微細な神経構造異常の検出感度が不十分であり、評価が不十分である。 本研究ではMRIによる脳形態評価に加え、拡散定量MRIと呼ばれる手法を組み合わせた先端的解析手法によって、ASD病態の神経基盤解明及び客観的ASD診断評価法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
3テスラMRI装置を用いて成人Autism spectrum disorder (ASD)症例及び定型発達(TD)例の頭部MRI撮像を実施し、本年度追加症例としてASD 8例、TD 8例のデータ取得が完了した。現在までにASD 33例、TD 33例(合計66例)のデータ取得が完了している。本年度追加した計16例の被験者データには脳拡散MRI定量解析で必須となる前処理(ノイズ除去、トランケーションアーチファクト除去、動きによる歪みの補正など)を実施し、次世代拡散定量パラメータである拡散テンソルイメージング(DTI)、神経突起イメージング(NODDI)、自由水イメージング(FWI)、diffusion tensor image analysis along the perivascular space (DTI-ALPS) indexの算出が完了した。また、小児自閉症MRIデータベースであるAutism Brain Imaging Data Exchange (ABIDE)I&IIより拡散MRIデータを取得、前処理を実施し、次世代拡散定量パラメータを算出した。 昨年度までに収集した症例の先行解析により、左前頭前野(中前頭葉尾側部、外側眼窩前頭葉、眼窩部、三角部、中前頭葉吻側部、上前頭葉領域)においてASD群でneurite density index (NDI)の有意な低下が検出されている。また、ROI解析では左中前頭回吻側部におけるNDIはASD関連スコアであるempathizing quotient (EQ)と有意な正相関を示した。これらの結果は、左中前頭回吻側部の神経細胞の変性・密度の低下がASDにおける共感性の欠如の神経基盤となることを示唆している。本年度の収集データを合わせたさらなる解析について、結果報告の準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該施設にて既にASD33例、定型発達例33例の計66例のデータ取得が完了しているため(令和4年度までに、目標数40例)。また、マイルストーンに基づき、成人ASDを対象にNODDIを用いた灰白質構造評価を行い、英文誌にて査読対応中であるため(Frontiers in Neurology, impact factor = 4.086;本申請日現在Major revision)。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度・2022年度の検討では、成人ASDにおける大脳白質・灰白質微細構造変性が明らかとなり、次世代拡散MRIパラメータである神経突起イメージングがASDの病態評価に有用である可能性が示唆された。引き続き当該施設におけるデータの収集に加え、小児ASD公開データベースと併せた検討により、ASDの病態解明、バイオマーカの確立を目指す。 さらに、近年、脳のクリアランス機能としてグリンパティックシステムの存在が提唱され、ASDにおけるグリンパティックシステム機能不全の病態関与が示唆されている。当該研究室でもMRIを用いたグリンパティックシステム機能評価のためのパイプラインは実装済みであり、ASDにおける病態解明及び客観的ASD診断評価法の開発を推進する。
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