研究課題/領域番号 |
21K15858
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鹿島田 彩子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20868004)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | RNF213 / moyamoya disease / 大動脈狭窄 / もやもや病 / 大動脈狭窄症 / 類もやもや病 / 血管形成 / 血管形成異常 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで多発性の大血管の狭窄をきたす疾患が報告されているが、非症候群性の疾患や病態に関してはほとんど解明されていない。モヤモヤ病、大動脈狭窄症など全身性の血管形成異常を伴った2症例の家系のエクソーム解析から、RNF213遺伝子の新規のバリアントを同定した。本研究ではRNF213遺伝子の新規のバリアントがモヤモヤ病、大動脈狭窄症など全身性の血管形成異常を呈する疾患の責任遺伝子であることを証明し、その遺伝子異常による疾患の発症病態を解明し、新規疾患概念を確立する。また基礎的なRNF213の機能解析を通し、疾患の治療に結びつく細胞生物学的特性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
モヤモヤ病、大動脈狭窄症など全身性の血管形成異常を生じる疾患の責任遺伝子候補として同定したRNF213遺伝子のde novoのバリアントを持つノックインマウスをCRISPR/Cas9のシステムを用いて作製した。RNF213バリアントをヘテロで有するノックインマウスは、全身性の血管形成異常や血管形成能の異常を認めなかったが、ノックインマウスの表現型として、バリアントをヘテロで有するノックインマウスは生存するのに対し、ホモで有するマウスは生直後に死亡することが明らかとなった。2022年度は、ノックインマウスの死亡原因検索を行った。生直後に死亡したノックインマウスと同腹の新生仔マウスを比較検討し、死因は肺機能異常による呼吸不全が疑われた。E18.5胎仔マウスをターゲットに、解剖学的評価、組織学的解析を行った結果、大動脈、心臓、肺血管、気管軟骨の形態には明らかな異常を認めず、死亡原因は肺構造異常による機能不全と考えられた。2023年度は、バリアントをホモで有するマウスの死亡原因と考えた肺組織の組織学的検討を進めた。肺組織分葉は正常で、粗大な発生異常は認めなかったが、組織学的には肺胞や気管支内腔の形成不良を認めた。 2型肺胞上皮、1型肺胞上皮、肺線維芽細胞、クララ細胞関連蛋白の発現解析を行い、さらに肺組織のトランスクリプトーム解析を行なった。RNF213バリアントは、免疫応答に関する遺伝子の発現の亢進と細胞増殖に関わる経路の抑制が生じていることが明らかとなり、国内学会での報告を行なった。トランスクリプトーム解析で明らかになったパスウエイに関する免疫組織学的解析を進めており、論文発表の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
バリアントをホモで有するマウスの死亡原因が明らかとなり病態解析を進め、RNF213遺伝子の分子生物学的な役割を探索し、学会発表を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
論文投稿の準備を進めている。
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