研究課題/領域番号 |
21K15859
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
泉田 亮平 新潟大学, 医歯学系, 客員研究員 (00888042)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | パレコウイルス / 母乳 / 早期乳児 / 抗体 / 中和抗体 / 新生児 / パレコウイルスA3 |
研究開始時の研究の概要 |
パレコウイルスA3(以下PeV-A3)は新生児・早期乳児に敗血症や髄膜脳炎などの重症感染症を引き起こす、小児科領域で注目を集める新興感染症である。現在、PeV-A3に対する特異的な予防法や治療法はない。 母乳は様々な微生物に対して感染予防効果が示されているが、PeV-A3についての検討はこれまで行われてこなかった。本研究では実験細胞を用いて、母乳がPeV-A3の細胞への感染力を減弱させることができるかを評価するとともに、その機序を明らかにすることを目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究は、パレコウイルスA3に対する母乳の抗ウイルス効果をin vitro実験系で解明することを目的としている。研究代表者はこれまでの検討で、母乳の水溶性成分内に中和作用を発揮する成分が存在することを明らかにした。本研究では、さらに抗体クラスレベルでの精製を行い、抗ウイルス効果を有する成分を特定することを目的とするが、いまだ抗体の精製に成功していない。検体である母乳、精製しようと試みている抗体のタイプ、目的の抗体を結合させる抗体結合タンパク質のすべてに適した実験系を確立させる必要があり、現在様々な実験系で試みている最中である。 また、新型コロナウイルス感染症が全国的に流行した影響で手指衛生などの感染予防対策が広く行われ、感染者の気道分泌物や糞便を介して伝播するパレコウイルスA3感染症はほぼ発生しなかった。そのため、当初予定していたパレコウイルスA3感染症に罹患した児の母親から得た母乳を用いた、中和抗体価の検討や抗体クラスごとの抗ウイルス効果の検討が前年度と同様に行えなかった。この傾向はコロナ禍が終息傾向にある次年度では変わる可能性がある。すでに確保している検体を用いた検討をさらに進め、抗体精製方法を確立することが喫緊の課題である。引き続き様々な実験系で抗体精製方法の確立を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3年度から、研究代表者の所属研究機関が変わり、研究の環境が大きく変わってしまった。そのため、研究に従事する時間が限られ、当初の想定以上に実験が遅れている。また、新型コロナウイルス感染症の全国的流行を受け、全国的に手指衛生などの感染対策が広まり、パレコウイルスA3感染症も発生しなかった。そのため、新たな検体の収集が行えず、既存の検体で検討しなければいけないことも遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
抗体精製:適切なリガンドを用いた抗体クラス別のアフィニティー精製を試みている。それには、目的サンプルや目的抗体のタイプから適切な抗体結合タンパク質を選択する必要があるため、その組み合わせを今後も様々な実験キットなどを用いて検討する。 新たな検体の収集:新型コロナウイルス感染症の影響は今後も持続し、それに伴い手指衛生が徹底されることが予想される。パレコウイルスA3感染症は感染者の気道分泌物や糞便を介して感染するため、手指衛生が徹底される状況下では流行しにくく、当初予定していた新たな検体の収集は困難が予想された。コロナ禍が終息傾向にある次年度は新たな症例が発生し、検体が収集できる可能性がある。それまでは感染児の母からの検体に限定せず、すでに収集している非感染児の母から得た検体で検討を進める。
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