研究課題/領域番号 |
21K15860
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
入月 浩美 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80793926)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | PNPLA4 / ミトコンドリア異常症 / 乳児突然死 / ゼブラフィッシュ / 脂質代謝異常 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、突然の心停止を起こして死亡したミトコンドリア呼吸鎖異常症の乳児において新規原因遺伝子であるPNPLA4の変異を報告した。PNPLA4は多様な生物種に発現してリン脂質代謝に関与するが、その詳細は未だ不明である。本研究では、ゼブラフィッシュをモデル生物として、PNPLA4の標的脂質の探索、ミトコンドリア呼吸鎖異常症の病態解析を実施する。そして、PNPLA4の分子生物学的機能を明らかとし、小児希少難病であるミトコンドリア呼吸鎖異常症の新たな病態を解明し、ミトコンドリア呼吸鎖異常症の新規治療戦略の創出や乳児突然死の発症予防につなげる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、PNPLA4の分子生物学的機能を明らかとし、小児希少難病であるミトコンドリア呼吸鎖異常症の病態を解明することである。PNPLA4は申請者らがミトコンドリア呼吸鎖異常症の新規原因遺伝子として同定した遺伝子であり、本研究でその機能を解明する意義は大きい。PNPLA4の生体内での役割を解明するためにはモデル生物を用いた研究が必要不可欠だが、本遺伝子はマウスでは発現していない。そのため、申請者らはモデル生物としてpnpla4ノックアウトゼブラフィッシュを世界に先駆けて作製し、既に機能解析を進めている。ゼブラフィッシュは世代時間が短く、遺伝学やイメージング解析で非常に優れている。全ゲノム配列はヒトと高い相同性を有し、遺伝子数や主要臓器・組織の発生および構造もヒトとの類似性が高い。本研究を通してPNPLA4の詳細な分子生物学的機能が明らかとなれば、ミトコンドリア呼吸鎖異常症の新たな治療戦略の創出ならびに乳児突然死の発症予防に大きく寄与する可能性がある。本研究では既に、ホールマウントのin situハイブリダイゼーション法の結果から、ゼブラフィッシュ脳及び筋組織においてpnpla4 mRNAの発現が高いことを発見した。また、pnpla4ノックアウトゼブラフィッシュ脳を用いた網羅的脂質解析を実施し、トリアシルグリセロールの代謝異常を示唆する結果を得ている。現在、ゼブラフィッシュの筋組織、及び、PNPLA4ノックダウン細胞を試料とした網羅的脂質解析を実施し、既存の実験結果と照合してPNPLA4標的脂質の絞り込みを行っているところである。さらに、pnpla4ノックアウトゼブラフィッシュ脳を用いたミトコンドリア機能解析、及び、病理組織学的解析を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
pnpla4ノックアウトゼブラフィッシュの病態解析として、ミトコンドリア呼吸鎖の評価や病理組織学的解析を実施している。PNPLA4ノックダウン細胞も用いて、様々な角度から表現型を評価しているが、標的脂質の絞り込みや最も影響を受けやすい臓器組織の特定に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
現在遂行中のPNPLA4標的脂質の絞り込みや病理組織学的解析後、ヒト培養細胞を用いた検証実験を行い、PNPLA4標的基質の同定を目指す。
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