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白血病細胞のin vitro薬剤感受性に影響を及ぼす因子の網羅的分子遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K15862
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関浜松医科大学

研究代表者

清水 大輔  浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (90896317)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード白血病 / 薬剤感受性試験 / 次世代シークエンス / 分子遺伝学的解析
研究開始時の研究の概要

コストの安いin vitro薬剤感受性試験により、再発・難治急性白血病、乳児急性リンパ性白血病の薬剤感受性プロファイルを判明させ、特定の薬剤に感受性を持つ白血病細胞に対し、近年進歩の著しい次世代シークエンスを用いた全エクソーム解析やRNAシークエンスなどによる遺伝子発現量の解析などの網羅的解析により、薬剤感受性に関わる標的遺伝子を抽出し、薬剤感受性の背景となるbiologyを解明する。
本研究で行う小児急性白血病の薬剤感受性試験は、全国から検体を収集して実施している。新規薬剤や国内未承認薬も含んだ研究のため、特に再発・難治例に対する新たな治療開発に寄与するものと考えている。

研究実績の概要

小白血病の予後は改善しているが、再発・難治小児急性白血病や、乳児急性リンパ性白血病は未だ予後不良であり、治療成績向上のためには、新規薬剤などを用いた治療戦略の確立が求められている。コストの安いin vitro薬剤感受性試験により、再発・難治急性白血病、乳児急性リンパ性白血病の薬剤感受性プロファイルを判明させ、特定の薬剤に感受性を持つ白血病細胞に対し、近年進歩の著しい次世代シークエンスを用いた全エクソーム解析やRNAシークエンスなどによる遺伝子発現量の解析などの網羅的解析により、薬剤感受性に関わる標的遺伝子を抽出し、薬剤感受性の背景となるbiologyを解明する。
具体的には、新規薬剤を導入した新たな薬剤感受性試験用のプレートを設計、作成をした。次に、凍結保存されている細胞株を解凍し、培養を行った。培養した細胞株が十分増殖した後、それぞれの細胞株と臨床検体に対して薬剤感受性試験を実施した。
薬剤感受性試験で得られた結果から、特定の薬剤に感受性を持つ白血病細胞で次世代シークエンスを用いたやRNA-seqを実施し、薬剤感受性と関連のある遺伝子のfusionをpick upした。白血病と関連のあるfusion geneは複数同定できたが、何れも臨床で行われた検査ですでに同定されているものであり、薬剤感受性との関連は疑われないものだった。次に、主に分子標的薬における薬剤感受性試験結果に基づいて検体を感受性あり群となし群に群分けした。感受性あり群・なし群間でRNA-seqでの発現量に差がある遺伝子を抽出し、複数遺伝子を同定したが、薬剤感受性との関連が明らかなものはなかった。
そこで、再発急性リンパ性白血病における遺伝学的解析を行い、既報のない融合遺伝子の同定とnanoplate digital PCRを利用した微小残存病変の同定に成功し、報告も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

小児血液・腫瘍グループのメンバーの複数名が長期育休を取得したことにより慢性的に人員不足であり、臨床業務で手一杯の状態であった。
本研究課題の進捗状況については、まず、細胞株9検体と9つの臨床検体の計18検体を用いて薬剤感受性試験を行った。薬剤との関連が報告されている遺伝子を
Pandrugs、PubChem、DSigDbで検索した。18の検体にRNA-seqを実施し、薬剤感受性と関連のある遺伝子のfusionをpick upした。白血病と関連のあるfusion geneは複数同定できたが、何れも臨床で行われた検査ですでに同定されているものであり、薬剤感受性との関連は疑われないものだった。次に、主に分子標的薬における薬剤感受性試験結果に基づいて検体を感受性あり群となし群に群分けした。感受性あり群・なし群間でRNA-seqでの発現量に差がある遺伝子を抽出し、複数遺伝子を同定したが、薬剤感受性との関連が明らかなものはなかった。
そこで、再発急性リンパ性白血病における遺伝学的解析を行い、既報のない融合遺伝子の同定とnanoplate digital PCRを利用した微小残存病変の同定に成功し、報告も行った。

今後の研究の推進方策

小児がんの中で最も頻度の高い小児白血病においても再発・難治例は予後不良である。更なる治療成績向上のために患者毎に適切な治療を行うことが重要であり、正確な予後予測因子の確立が求められている。
小児白血病の強力な予後予測因子の一つに、治療中の微小残存病変(MRD)があり、MRD測定法の一つに、白血病細胞が持つキメラ遺伝子を標的としたPCR法がある。近年、高い感度と簡便性からデジタルPCRによるMRD測定系が報告されている。薬剤感受性試験のみならず、小児再発・難治白血病細胞において、従来法よりもその塩基配列を長く解析することができるナノポアシークエンスを含んだ全ゲノム解析による新規遺伝子異常の同定と、デジタルPCRによるMRD測定系の確立を行っていくこととする。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Characterization of KMT2A::MATR3 fusion in a patient with acute lymphoblastic leukemia and monitoring of minimal residual disease by nanoplate digital PCR2023

    • 著者名/発表者名
      Komatsu K, Sakaguchi K, Shimizu D, et al.
    • 雑誌名

      Pediatr Blood Cancer .

      巻: 70

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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