研究課題/領域番号 |
21K15863
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
横山 淳史 京都大学, 医学研究科, 助教 (90529447)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 発達性てんかん性脳症 / NSF / 小胞分泌 / オートファジー / SNARE / てんかん性脳症 / 遺伝性疾患 / NSF遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内小胞輸送は、神経伝達物質等の開口放出にも関わっている。開口放出において、小胞側とターゲット細胞膜側のSNARE蛋白が複合体を形成することで膜融合が起き、その後、複合体はNSFにより解離し、SNARE蛋白がリサイクルされる。こうした小胞リサイクルの異常は、てんかん病態への関与は十分に解明されていない。本研究では、申請者らが乳児期てんかん性脳症の複数家系において同定したNSF遺伝子変異に関して、神経分泌モデル細胞株や患者iPS細胞由来の神経細胞を用いてNSFの機能解析を行う。これらの解析を通して、てんかん性脳症の病態解明と新規治療ターゲットの発見を目指す。
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研究成果の概要 |
膜融合は、様々な細胞内での生理現象に関わっている。細胞膜同士が融合するためには、それぞれの膜上のSNARE蛋白が複合体を作ることが必要である。複合したSNARE蛋白はNSFによって解離され、次の膜融合でリサイクルされる。 本研究では、乳児期発達性てんかん性脳症の患者において同定されたNSF遺伝子の変化に関して、患者iPS細胞等を用いてNSFの働きを解析した。その結果、mTOR経路の異常な亢進やオートファジー障害によって、神経変性が生じている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NSF遺伝子は発達性てんかん性脳症の新規の原因として2019年に報告されたが、その病態背景は明らかにはなっていなかった。今回、NSF遺伝子の変化によって、小胞分泌において膜蛋白リサイクルが障害されていること、mTOR経路の過剰な活性化やオートファジー障害が神経変性に関与していることが示唆された。また、mTOR経路を阻害するラパマイシンが治療薬となる可能性も示唆された。NSF関連発達性てんかん性脳症の病態の一部を明らかにし、治療薬候補を同定したてんにおいて学術的意義があると考えられる。
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