研究課題/領域番号 |
21K15864
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
榊原 菜々 神戸大学, 医学研究科, 特務講師 (90814319)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | OCRL / Lowe症候群 / Dent disease-2 |
研究開始時の研究の概要 |
Lowe症候群およびDent disease-2はOCRLを責任遺伝子とする遺伝性疾患であるが、Lowe症候群では重篤な全身症状を示すものの、Dent disease-2では症状は腎に限局するなど、両者の臨床的重症度は大きく異なる。しかしこの臨床的重症度の差異に関する分子生物学的機構については未だ明らかになっていない。本研究では、患者腎由来細胞を用い、これら2疾患の病態発症メカニズムの解明を行うとともに、ナンセンスリードスルー療法やアデノウイルス随伴ベクターによるLowe症候群の軽症化を試みる。本研究では2疾患の病態の完全解明を目指すと共に、それらの特性を生かした新規治療法の開発に取り組む。
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研究成果の概要 |
Lowe症候群およびDent disease-2はいずれもOCRLを責任遺伝子とするX染色体連鎖型の遺伝性疾患である。今回、全く異なる表現型を示すLowe症候群とDent disease-2の2疾患について、両者の重症度の違いを説明しうる分子生物学的機序を明らかにした。 OCRLのexon6からはじまるトランスクリプトをクローニングし,このトランスクリプトから2種類の機能性蛋白(isoform)が合成されること,またこれらの機能性蛋白は5-phosphataseとしての酵素活性を有することを示した。isoformのレスキューにより,Dentdisease-2では軽症な表現型を示すことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Dent disease-2がLowe症候群に比べ明らかに軽症な表現型を示す理由は、これまで明らかにされていなかったが、本研究ではDent disease-2患者にのみ発現するisoformのクローニングに成功し、またこのisoformがOCRL蛋白としての機能を持つことを証明した。 本研究は長らく不明であったLowe症候群およびDent disease-2の発症メカニズムを解明するだけでなく、こLowe症候群の遺伝子治療の開発への足がかりとなる非常に重要な研究と考えている。
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