研究課題/領域番号 |
21K15866
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大西 佑治 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (20897318)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 川崎病冠動脈病変 / 液体クロマトグラフィー/質量分析法 / ELISA法 / 川崎病 / 液体クロマトグラフィー/質量分析法 |
研究開始時の研究の概要 |
乳幼児に好発する川崎病において、冠動脈病変の合併は重要な予後因子であり、時に致死的となりうるが、形成機序および病態は未だ十分に解明されていない。申請者らは、冠動脈病変形成患者の血中に冠動脈病変を誘発する物質が存在すると考え、血清から液体クロマトグラフィー/質量分析法を用い原因物質の同定を試み、その抗体治療法を開発することで、川崎病患者における冠動脈病変の形成および増悪に対する根治的予防法・治療法の確立を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究では、「川崎病における冠動脈病変形成患者の血中に冠動脈病変を誘発する物質が存在する」という仮説をたて、冠動脈病変形成患者の血清から液体クロマトグラフィー/質量分析法を用い原因物質の同定を試みることを主目的とした。 2021年度は、液体クロマトグラフィー/質量分析法を用いて冠動脈病変形成患者と非形成患者間で比較を行った。その結果、冠動脈病変形成患者において、治療前の検体で上昇または低下している蛋白質を複数検出した。 2022年度はその複数の蛋白質のうち、最も低い比率およびp値を認めたタンパク質に注目し、ELISA法を用いて冠動脈病変形成患者と非形成患者で血清中の濃度を測定した。その結果同タンパク質は冠動脈病変形成患者で有意に低値であった。以上の結果をまとめて論文化し、現在投稿中である。 2023年度は、「2022年度に検出したタンパク質は、川崎病冠動脈病変の形成について、抑制的に働く」という仮説を立て、ヒト冠動脈細胞への影響を検討した。 前提として、ヒト冠動脈細胞にそのタンパク質のレセプターが存在する事の証明を試みた。まずフローサイトメトリー法を用いて実験したが、細胞表面に目的とするレセプタータンパク質は検出できなかった。次にヒト冠動脈細胞を用いてレセプタータンパク質のmRNAの発現をPCR法で確認したところ検出できた。最後にウエスタンブロット法を用いてヒト冠動脈細胞中にレセプタータンパク質を検出したところ発現を確認できた。 次年度以降は検出したタンパク質が冠動脈病変形成に(または予防に)どのような関与をしているかをヒト冠動脈内皮細胞を用いて検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、「2022年度に検出したタンパク質は、川崎病冠動脈病変の形成について、抑制的に働く」という仮説を立て、ヒト冠動脈細胞への影響を検討した。 前提として、ヒト冠動脈細胞にそのタンパク質のレセプターが存在する事の証明を試みた。まずフローサイトメトリー法を実施したが、細胞表面に目的とするレセプタータンパク質は検出できなかった。次にPCR法、ウエスタンブロット法等を実施し、ヒト冠動脈細胞のレセプタータンパク質の存在の証明に時間を要したためやや実験は遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト冠動脈細胞に着目しているタンパク質のレセプターの存在は証明できたため、次年度は検出したタンパク質が冠動脈病変形成に(または予防に)どのような関与をしているかをヒト冠動脈内皮細胞を用いて検討を行う。
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