研究課題/領域番号 |
21K15870
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
辻本 信一 横浜市立大学, 医学部, 助教 (50838034)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | AML / 脱メチル化剤 / シタラビン / ベネトクラックス / PRDM16 / 急性骨髄性白血病 / 小児急性骨髄性白血病 / エピゲノム解析 / BCL2阻害剤 / メチル化阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまで小児急性骨髄性白血病(AML)のゲノム解析を通じて、PRDM16遺伝子の高発現は小児AMLの予後不良因子であることを報告した。新規治療法を見出すため、現在エピゲノム解析を行っており、ゲノム全領域が高度にメチル化されていること、HOX遺伝子群が高発現していることがわかり、メチル化阻害剤やBCL2阻害剤が有効である可能性を見出した。そこで本研究ではPRDM16高発現AMLに対するメチル化阻害剤・BCL2阻害剤の有効性と作用機序の検討及び免疫沈降・ChIPシークエンスを用いたPRDM16と相互に作用する分子及びゲノム上の結合領域の同定による新規治療標的の検討を行う。
|
研究実績の概要 |
昨年度までに我々は、PRDM16高発現AMLの薬剤耐性機序と薬剤体制の解除について検討するためのin vitorでのassay及びモデルの作成を行った。PRDM16高発現の細胞株の同定、およびマウスモデルの作成を行い、マウスモデルの樹立およびマウスsPrdm16高発現AML細胞の樹立を行った。本年度は、上記細胞株及びモデルから作成した細胞株を用いてシタラビンなど既存薬の薬剤感受性試験を施行した。その結果、sPrdm16高発現細胞は、有意にシタラビン耐性であることを確認した。これまでの研究で、PRDM高発現AML細胞は、ゲノムワイドに高メチル化であることまたHOXA,HOXBなどの遺伝子が高度にメチル化されていることを確認した。これらの結果をもとに、脱メチル化剤であるアザシチジン、HOX遺伝子異常を有するAMLに有効であることが予測されるベネトクラックスの薬剤感受性を実施した。当初の予想通り、アザシチジン、ベネトクラックスは有用であることがわかった。さらに、シタラビン、ベネトクラックス、アザシチジンのそれぞれ単剤、併用療法の検討をin vitro modelで実施をすすめており、preliminaryな結果として、併用療法が有効であることがわかってきた。現在、sPrdm16高発現AML細胞株のRNA シークエンス解析などを行い、発現変動遺伝子や耐性化メカニズムの解明をすすめている。次年度は、上記薬剤の併用効果をin vivoモデルで検証するとともに、シタラビン耐性化メカニズムの詳細を検討していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画案通りに順調に進んでいる。in vitro modelでの検討は順調に進んでおり、臨床的には有用な結果が得られており、臨床応用にむけたin vivoモデルの検証をすすめていければと考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
in vivoモデルでの薬剤の有効性を検証するとともに、PRDM16高発現AML細胞のシタラビン耐性化メカニズムについても検討を進めているため、次年度でこの2つの課題を解決していく予定である。
|