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アデノ随伴ウイルスベクターの特異的ターゲティングによる新規遺伝子治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K15875
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
研究機関日本医科大学

研究代表者

塩澤 裕介  日本医科大学, 医学部, 助教 (60801511)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2021年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード遺伝子治療 / ウイルスベクター / ターゲッティング
研究開始時の研究の概要

本研究はベクターシステムの構築とその性能評価の二つからなる。まず、高親和性の抗体が知られているHER2を表面抗原のモデルとしてベクターシステムを構築する。培養細胞株とマウスの肝臓を標的とした検討により、本ベクターシステムの遺伝子導入効率と標的特異性を明らかにする。最終的には、アデノ随伴ウイルスベクターの指向性が低い代表的な組織である、造血細胞を標的とした治療モデルへの応用を試みる。

研究実績の概要

本研究では、抗体にアダプターを付与し、これを介して抗体とAAVカプシドを間接的に結合させるシステムの開発を目指している。アダプターとして、1)ヘテロ二量体化するよう設計されたcoiled-coilドメイン、と2)分子A(知財申請中のため詳細を伏せている)の二つを試した。まず、高親和性の一本鎖抗体(scFv)が知られているHER2を表面抗原のモデルとし、以下の通りベクターシステムの構築を進めた。
1)AAVカプシドへの変異導入:AAVベクターによる非標的細胞への遺伝子導入を防ぐため、カプシドタンパク質に変異を導入し、細胞表面の受容体と結合できないようにした。
2)coiled-coilドメインをアダプターとするベクターシステムの構築:互いに特異的に会合するよう設計されたcoiled-coilドメインのペアを用いることとし、一方のモノマーをHER2に対するscFvに、もう一方をカプシドタンパク質であるVP2に挿入した。改変したVP2を含むAAVベクターの作製を試みたが、改変VP2はベクター粒子にうまく組み込まれなかった。VP2の改変により分子構造が大きく変化し、ベクター粒子に組み込まれなくなったと考えられた。
3)分子Aをアダプターとするベクターシステムの構築:分子Aが実際にAAVカプシドと結合することをプルダウンアッセイで確認した後、HER2に対するscFvとつなげ、分子A付きscFvを作製した。
4)HER2を強発現する乳がん細胞株SK-BR-3に、分子A付きscFvとAAVベクターを投与し、遺伝子導入効率を調べた。分子A付きscFvを加えなかったときはほとんど遺伝子導入が見られなかったのに対して、これを加えたときは野生型のカプシドを持つAAVと同程度の遺伝子導入効率が得られた。これにより、AAVベクターの標的指向性を改変するための原理を確立できたと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

令和3年度に予定していた研究目的を達することができ、令和4年度に予定していた研究まで進めることができたため。

今後の研究の推進方策

カプシドを改変していないAAVベクターと比して標的特異性が向上しているかを検証するため、マウスの肝臓への遺伝子導入を行う。肝細胞マーカーであるASGR1に対するアダプター付きscFvと、ルシフェラーゼを発現するAAVベクターを作製し、経静脈的に投与する。その後、経時的にルシフェリンを投与して生体内での発光を撮像することで遺伝子導入部位と発現量を明らかにし、肝臓への特異性を評価する。

報告書

(1件)
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 汎用的かつ標的臓器特異的な新規遺伝子治療法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      塩澤裕介
    • 学会等名
      第125回日本小児科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2022-12-28  

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