研究課題/領域番号 |
21K15882
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
城賀本 敏宏 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (10781346)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ADHD / 豊かな環境 / 最初期遺伝子 / 行動実験 / RNAseq / 養育環境 / LHR / PrL / ミクログリア / クレンブテロール / 注意欠陥多動性障害 / Lister hooded rat |
研究開始時の研究の概要 |
注意欠陥多動性障害(ADHD)は最も頻度の高い発達行動障害である。申請者は、黒いまだら模様をもつLister hooded rat (LHR)が多動性・不注意・衝動性を示し、ADHD関連遺伝子の発現低下があり、ADHD治療薬で行動が改善するなど優れたADHDモデルであることを示した。さらに、LHRの大脳の内側前頭皮質で神経細胞活動が亢進し、ミクログリアのシナプス貪食が低下していることを見出した。本研究では、ミクログリアの活性、特にシナプス貪食能とADHD様行動との関連、ミクログリア活性低下の原因遺伝子の解明を進め、ミクログリアの活性制御によるADHDの新規治療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
Lister Hooded Rat (LHR)を用いて、ADHD様行動に与える養育環境の影響について検討した。3つの木製の小屋、回し車、3つの餌場などを備えた環境でLHR(豊かな環境群)を飼育し、通常ケージで飼育したLHR(対照群)の行動と比較した。豊かな環境群は、オープンフィールド試験で行動量が3日目に有意に減少した。対照群は逆に2日目以降行動量が増加し、多動性が観察された。不注意や衝動性を計測する落下試験では、豊かな環境群は約10%が落下したのに対し、対照群は約90%が落下した。豊かな環境での飼育によりADHD様行動が改善することを示した (Cells 2022, 11, 3649)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
豊かな環境での飼育によりADHD様行動が改善し、その改善には前頭葉内側部の神経細胞活動の低下を伴っていることが判明した。しかし、前頭葉内側面は社会性に関わる重要な脳領域であり、この部位の神経細胞活動の低下が真に望ましい変化であるのか疑問が残る。実際、ADHD成人症例での社会的不適応は多動や不注意が問題というより、他者への配慮や他者の気持ちの理解の不足が原因と思われるケースが多い。そこで、毎日愛情を持ってLHRと遊び共に楽しく過ごす時間を持つ「愛情ある飼育(loving rearing; LR)」を行なっている。今後、養育環境における愛情の存在がLHRのADHD様行動を改善するか検討予定である。
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