研究課題/領域番号 |
21K15886
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
内田 優美子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70319721)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ビリルビン / ビリルビン光学異性体 / 血液脳関門 / 細胞毒性 / 血液脳関門モデル / ルミルビン / ラット / 早産児ビリルビン脳症 / 新生児黄疸 / 新生児 / 黄疸 / 光療法 |
研究開始時の研究の概要 |
早産児における慢性ビリルビン神経障害の病態解明の一助として、従来安全と目され、また、精製分離の困難さからほとんど検証されてこなかったビリルビン光学異性体(ルミルビン)の脳神経系への作用を次の検討により行う。元来ルミルビンはアルブミン結合能が低く、脳移行しうる分子サイズである。①血管透過性が亢進した早産児を模した血液脳関門モデルを用い、ルミルビンが直接血液脳関門を通過するか検討する(直接作用)。②ルミルビンをより長く血液脳関門に接することで炎症や破壊などの刺激が生じ、神経障害が惹起されるか検討する(間接作用)。
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研究成果の概要 |
幼若Wister ratの脳毛細血管内皮細胞で構成した血液脳関門モデルを作成し、ルミルビンの①脳内移行性試験、②細胞毒性試験を施行した。ルミルビンはビリルビンを青緑色照射し精製したものを最終濃度が10, 25, 50μMになるよう、また、対照として非抱合型ビリルビン50μMを0.1% ヒトアルブミン溶液中に調製した。さらに成人Wister ratの脳毛細血管内皮細胞で作成した血液脳関門モデルで幼若と成人モデルの比較を行った。①の脳内移行性試験では幼若モデルにおいてルミルビンは濃度依存性に脳内移行した。しかし、成人モデルでは移行しなかった。一方、②ルミルビンの細胞毒性試験では毒性を示さなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新生児黄疸に対する光療法の有効性は既に実証されている。一方、光療法に伴う超低出生体重児死亡率の増加や早産児のビリルビン慢性神経障害などが問題となっている。近年、光療法により産生されるビリルビン光学異性体(ルミルビン)による神経炎症惹起性についての報告があったが、ルミルビンの血液脳関門への移行性を検証した研究は未だない。本研究では幼若ラットを用いたモデルにおいてルミルビンが濃度依存性に血液脳関門を通過することを証明した初めての研究であり、今後、光療法と神経毒性との関係を調べる糸口になりうる研究であったと考える。
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