研究課題
若手研究
小児の糸球体濾過量 (GFR) 評価法として臨床現場で頻用されているものはGFR推算式であり,特にその簡便性から本邦でも広く浸透している.しかし,新生児/乳児,急性腎傷害,筋肉量が少ない患者に対しては適用することができない.本研究では,1時間蓄尿から簡便に算出される尿素窒素クレアチニンクリアランス法が,これらの患者に対するGFRの正確な把握に有用かを検討することを目的とする.患者を対象とした臨床試験を行い,GFR評価のゴールドスタンダードであるイヌリンクリアランス法と比較することで本クリアランス法の正確性を検討し,その有用性を証明する.
小児領域において新生児/乳児、急性腎傷害、筋肉量が少ない患者に対して正確かつ適時的に糸球体濾過量 (GFR) を評価する方法は確立していない。本研究の目的は、1時間蓄尿から算出される簡便なクリアランス法 (1h-CrUNCl) が、これらの患者に対するGFRの正確な把握に有用かを検討することを目的としている。その方法として患者を対象とした介入研究を行う。研究対象である新生児/乳児、急性腎傷害、筋肉量が少ない患者は、北里大学病院のPICU、 NICUに入室する患者を対象とすることで抽出する。同意を得た患者に対してイヌリンクリアランス検査を行い、1h-CrUNClとの相関を検討する。イヌリンクリアランスはGFR測定のゴールドスタンダードとされており、かつ薬剤投与に関連する副作用もほぼない。したがって、新生児や集中治療を受ける患者に対しても全身状態に影響することなく遂行が可能である。すなわち、倫理性を担保しながら実施可能な科学的価値の高い臨床研究であり、2022年度にこの点を重視した研究計画を立案し、倫理審査を経て北里大学病院長の承認を得た。2023年から患者登録を開始して継続的に行っているが、現時点で有害事象なく経過している。今後も患者登録、データの収集を継続する予定である。また、研究参加者からは中長期的な腎機能のデータも収集する予定である。
2: おおむね順調に進展している
現時点で約20例の登録を行い、データが集積している。有害事象を認めないため継続実施が可能と考えている。
研究参加者のリクルートを引き続き継続する。研究参加者には通常診療以上に厳密な腎機能評価がなされており、この点に関しては利益があると考えられる。研究に参加することに対する利益不利益を丁寧に説明して参加者数を増やすことに努める。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Pediatric Nephrology
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10.1007/s00467-022-05703-1
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