研究課題/領域番号 |
21K15899
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
田村 賢太郎 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (00793340)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 新生児 / 敗血症 / PCR |
研究開始時の研究の概要 |
新生児敗血症は病状の進行が早く、予後不良な疾患である。本学の検査部では、リアルタイムPCR法を応用した敗血症起炎菌迅速同定システム(Tm mapping法)により、melting temperature (Tm)値の二次元マップをフィンガープリントとすることで、血液中の細菌を高感度に同定、定量化する技術を確立した。所要時間は4時間である。本研究では、敗血症が疑われる新生児において、Tm mapping法が早期診断と抗菌薬治療の適正化に有用かどうかを、従来の血液培養法と比較し検証する。本研究によって、新生児敗血症の迅速診断・治療法を確立し、予後改善や薬剤耐性菌発生リスクの軽減に貢献できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、リアルタイムPCR法を応用した敗血症起炎菌迅速同定システム(Tm mapping法)が、新生児の感染症診療に有用かどうか検証することを目的とした。 2019年7月から2023年9月に、当院周産母子センターに入院し、感染症が疑われた児を対象とした。血液培養を採取する際に、Tm mapping法の検体0.2mlを同時採取し解析した。 血液は241人から309検体を得た。検体量の平均は273μLであった。在胎週数、出生体重の中央値はそれぞれ35.4週、2,224gであり、検査日齢の中央値は0日(四分位範囲0-23日)であった。Tm mapping法は、およそ4時間で結果が得られた。Tm mapping法で菌種を同定したのは24検体、同定しなかったのは285検体であり、そのうち血液培養が陽性だったのは、それぞれ5検体、9検体であった。Tm mapping法の血液培養に対する陽性的中率は20.8%、陰性的中率は96.8%であった。2症例は、血液培養の結果判明前にTm mapping法で菌種を同定し、感受性のある抗菌薬の変更につながった。 また、血液以外の検体(髄液4例、膿瘍2例、胸水1例)に関して、細菌培養結果と比較して、感度100%、特異度100%、菌種同定は属レベルでは4例中4例、種レベルでは4例中3例が一致した。いずれも培養結果より早い時期に結果が得られ、抗菌薬選択や治療効果判定に有用であった。 これらの結果から、新生児感染症診療において、より迅速な起炎菌の同定、適切な抗菌薬の選択、治療の効果判定、検体中の菌の陰性化を検証する際に、Tm mapping法が有用である可能性が示唆された。Tm mapping法を既存の培養法と組み合わせて利用することで、互いの欠点を補い、新生児感染症の予後改善につながることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
入院患者数の減少から年間の解析件数はやや減少した。いくつかの検体では解析結果の確認のために再解析を行っており、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も検体の収集を継続し、Tm mapping法と血液培養法との優位性に関する比較検討を行う。敗血症症例では、経時的なTm mapping法により、治療効果判定につながるか検討する。これらの成果を、学術集会や国際雑誌で発表する予定である。
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