研究課題/領域番号 |
21K15900
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山本 英範 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80801662)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | チロシンキナーゼ / 先天性心疾患 / CRISPR-Cas9 / プロテオーム解析 / 骨格異常 / 成長障害 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性心疾患の多くは多因子遺伝と考えられているが、一部に単一遺伝子異常によるものが存在する。近年、チロシンキナーゼ発現遺伝子であるABL1の生殖細胞における機能獲得型変異が、先天性心疾患、骨格異常、皮膚異常などの原因になることが2017年に初めて報告されたが、そのメカニズムは殆ど未解明である。研究代表者は近年、家族性先天性心疾患の家系においてABL1の新規変異を発見し、培養細胞実験でUFD1、AXIN1、ATRXのリン酸化が本症候群の発症メカニズムに関与する可能性を報告した。本研究の目的は、モデル動物を用いて、ABL1の機能獲得型変異による各表現型の発症メカニズムを検討することである。
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研究成果の概要 |
生殖細胞ABL1の機能獲得型変異により先天性心疾患を伴う症候群を発症することが知られているが、その発症メカニズムは不明である。 実験用マウス(C57BL/6)に対してCRISPR-Cas9によりAbl1の機能獲得型変異をノックインした。モデルマウスの胎児心臓から総蛋白を抽出し、プロテオーム解析を行ったところ、心臓発生にも関与することが知られている蛋白Aの発現がモデルマウスにおいて著増していた。さらにその下流蛋白の免疫染色を行った結果、アポトーシス制御に関する蛋白のリン酸化が抑制されていることが確認され、心疾患の発症メカニズムに関与すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ABL1機能獲得型変異による心疾患発症のメカニズムは未解明である。本研究は近年確立した実験手法であるCRISPR-Cas9・プロテオーム解析などを用いて世界で初めてその解明を試みた。骨髄細胞におけるABL1の機能獲得が白血病の原因になることが知られているが、今回の研究により生殖細胞においては骨髄とはまったく異なる分子メカニズムが関与する可能性が示唆された。今後、培養細胞実験で検証を行ったうえで学術発表を計画している。
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