研究課題/領域番号 |
21K15901
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 知実 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (50874921)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 川崎病 / FK565 / 胸腺 / 中枢トレランス / 胸腺髄質上皮 / 冠動脈 / NOD1 / PRX2 |
研究開始時の研究の概要 |
川崎病は、日本人小児に多く発症する原因不明の疾患で、後遺症として起こる冠動脈瘤は小児期および成人期の心筋梗塞の原因となる。本研究は、パターン認識受容体であるNOD1のリガンドとして働くペプチドFK565の投与により川崎病様の冠動脈炎を発症する川崎病モデルマウスで、胸腺の著明な萎縮と細胞数減少を見いだしたことから、本モデルマウスの冠動脈炎発症における自己免疫学的機序を明らかにすることを目的とする。NOD1は、胸腺髄質上皮細胞に発現する転写因子AIREを介して胸腺髄質でのネガティブセレクションに関わるため、AIREに着目し、自己反応性T細胞および自己抗体の冠動脈炎発症における役割を解明する。
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研究成果の概要 |
FK565誘導川崎病モデルマウスにおける胸腺の解析を行った。FK565マウスは通常、免疫後7日目に解析されることが多いが、7日後には胸腺が委縮し解析が困難なため免疫後1日目の胸腺を解析に用いることとした。フローサイトメトリー法で解析すると川崎病モデルマウスでは、CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞も減少していたが、特にdouble positive T細胞が減少しており、胸腺髄質上皮の機能の低下が示唆された。免疫染色で髄質上皮細胞は川崎病モデルマウスでも見られたが、髄質のdouble positive T細胞が減っていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
川崎病モデルマウスの冠動脈炎発症に、胸腺トレランスの破綻が関与している可能性について調べた。川崎病は日本人小児に好発し、無治療では高率に冠動脈疾患を引き起こす。冠動脈の炎症により冠動脈瘤を来すと若年性の心筋梗塞に至ることもある。現在の川崎病治療は、ガンマグロブリン静脈注射ややステロイド内服、インフリキシマブ静脈注射など高価で重大な副作用を伴う治療薬が用いられており、胸腺の分子に直接影響するような安価で安全な治療薬の開発に繋がる可能性がある。
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