研究課題/領域番号 |
21K15915
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三浦 晋 東北大学, 大学病院, 助教 (30756937)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | pancreatic cancer / early diagnosis / 膵癌 / 早期診断 / 糖尿病 / 膵腫瘍 / 画像診断 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は先行研究で、膵の「限局的脂肪化・限局的萎縮」の所見が膵癌の早期診断に重要な画像的特徴であることを示した。しかし、繊維化を特徴とする膵癌において病初期に膵脂肪化や膵萎縮が形成される機序は不明であり、その病態を解明することは膵癌の早期診断や治療法に新たな展開をもたらす可能性がある。加えて、本所見の健常人における頻度は不明であり、発癌を予測する所見となりうるか臨床的にも検証する必要がある。本研究の目的は、マウスモデルを用いて膵発癌における「膵の限局的脂肪化・限局的萎縮」の病態を解明し、臨床研究で該当症例を前向きに観察することにより膵癌の早期診断に対する有用性を検証することである。
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研究成果の概要 |
膵の限局性膵萎縮に関してDiagnostic誌に報告した。34.2%の膵癌患者の過去画像で確認され、対象(3.9%)と比較して膵癌患者で有意に観察された。主膵管狭窄/拡張所見よりも前に観察されることが多く、膵癌の最も初期の兆候である可能性が示唆され、膵癌早期診断に有用と考えられた。この仮説を検証するために、多施設共同前向き観察研究を開始した。膵上皮内癌を示唆する所見と考えたため、単施設での症例集積は困難と判断し、膵臓を専門とする診療科を有する全国51施設が参加している。本研究の研究期間は2029年までと予定している。本研究で限局性膵萎縮が膵癌早期診断に有用か明らかになることを期待する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は最も予後不良な癌であり、Stage I期の症例であっても多くが再発するため、さらに早期の段階である膵上皮内癌での診断が望まれている。しかし、この段階では腫瘤が形成されておらず腫瘍の存在を捉えることは困難であった。本研究では、膵上皮内癌を発見しうる画像所見として限局性膵萎縮に着目した。本研究成果は膵癌早期診断の一歩となる所見の臨床像を解明し、大規模多施設共同前向き観察研究を計画するに至った。
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