研究課題/領域番号 |
21K15919
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
華井 竜徳 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (40585494)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非代償性肝硬変 / サルコペニア / 肝性脳症 / 栄養療法 / 運動療法 / ガイドライン改定 / 難治性腹水 / 不顕性肝性脳症 / カルニチン / 栄養評価 / 肝硬変 / 低栄養 / 肥満 / 体組成 / 食事・運動療法 |
研究開始時の研究の概要 |
肝硬変患者においてサルコペニアや体脂肪などの体組成の変化と肝硬変患者の生活の質(QOL)、生存率、肝発癌に関する検討が多くなされている。そのため肝硬変患者の体組成(筋肉、体脂肪)に着目し、食事・運動療法による介入を行うことでアウトカム(肝不全・肝発癌・予後)が改善する可能性がある。本研究は、体組成と肝硬変患者のアウトカムとの関連について解析を行い、それらの至適カットオフ値を設定する。また同時に新規肝硬変患者の食事摂取量、日常活動量、体組成などを調査し、アウトカムに関連するリスク因子の同定と至適な食事・運動療法によるアウトカム対する抑制効果を検討する。
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研究実績の概要 |
高齢化社会になり慢性肝疾患(CLD: chronic liver disease)患者も高齢化が進んでおり、肝関連合併症や多疾患併存の増加に伴うポリファーマシーが注目を集めいている。当院で調査したところ肝硬変患者の53%がポリファーマシーが認められ、29%がサルコペニアを合併していた。ポリファーマシーはサルコペニアに強い関連があり、さらにこれら2因子が独立した予後因子であることを明らかにした。また今後ますます増加するであろう、脂肪肝については岐阜大学の大学生健康診断データを用いた調査を行った。結果は、成人若年男性において、生体インピーダンス法で定量した体脂肪量とEBQ (eating behavior questionnaire )による食習慣の偏りがMASLD (metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)と強い関連があることを明らかにし、脂肪肝の制御のためには若年から肝臓リハビリテーションの必要性を示した。CLD患者の身体活動不足はMASLD、サルコペニア、フレイルなどを惹起し、患者の臨床転帰に悪影響を及ぼす。身体活動を促すための適切な介入プログラムの作製のため、スポーツ庁が実施した「スポーツ実施状況に関する世論調査」を基にCLD患者の現状の身体活動に関するアンケート調査を行った。調査結果は、身体活動の頻度が週1日以上は44.6%、週1回未満は55.4%であった。CLD患者の多くは体力や運動不足をより懸念している一方、運動を習慣化する取り組みがあれば参加する意欲が認められた。運動の種類として、ウォーキングの人気が高いことが明らかになった。当院では2023年よりCLD患者に対する肝臓リハビリテーションの有効性・安全性についての介入試験を実施している(jRCT1040230078)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
慢性肝疾患患者を取り巻く環境として、メタボリックシンドロームを背景とした脂肪肝(MASLD/MASH)やアルコール使用障害(AUD; alcohol use disorder)や依存によるアルコール性肝硬変の増加が著しい一方で、ウイルス性肝疾患は減少傾向にある。肝疾患患者の高齢化に伴い肝関連合併症、多疾患併存、ポリファーマシーによるサルコペニアやフレイルなど低栄養状態に対する治療介入が必要である一方で、肥満や糖尿病などのメタボリックシンドロームとかかわりの深いMASLDなどの過栄養状態にも対応する必要がある。これらの相反する病態に対応するためには、食事療法、薬物療法、運動療法を多職種で治療療介入する肝臓リハビリテーションの確立が急務と考えられる。CLD患者の現状の生活習慣や運動運動習慣についてアンケート調査を実施したところ、半数以上のCLD患者は週1回以上の運動習慣がなく、一方で患者の多くは体力や運動不足を懸念していた。さらに、運動を習慣化する取り組みがあれば参加する意欲が認められ、ウォーキングの人気が高いことが明らかになった。当院では2023年よりウェアラブルデバイスを用いて、CLD患者に対する肝臓リハビリテーションの有効性・安全性についての介入試験を実施している(jRCT1040230078)。現在、慢性肝疾患患者のデータベースとして、当院および関連施設との連携が確立され、前向きにデータの集積が可能な状況にある。また参照値としての健常人のデータの集積は、岐阜大学保健管理センターを通じた大学学生や職員の健康診断のデータ、関連施設の人間ドックの20年近いデータ(10万人以上)を利用できる環境を確立した。
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今後の研究の推進方策 |
慢性肝疾患患者および健常人の長期によるデータベースを確立し、肝疾患の進行およびサルコペニアやフレイルの発症リスクとの関連について評価する。また慢性肝疾患(特に肝硬変)における標準的な年率の骨格筋減少曲線の確立、長期生存に関連する至適な体組成の検討、低栄養もしくは過栄養患者 に対する栄養食事療法や運動療法(肝臓リハビリテーション)の確立を目指す。特に運動介入するための、患者選択基準の設定、肝疾患合併症や併存疾患の予防対策、運動の頻度・強度・時間、種類の確立、ウェアラブルデバイスを用いた実施状況や有効性に関する相互の情報共有やサポートなどについて検討する。 また患者個別の病態に合った適切なプログラムが必要となるため、運動療法の確立のみならず栄養療法・薬物療法など、理学療法士・管理栄養士・薬剤師・看護師などによる多職種によるサポートが肝要であり、エビデンスの集積を行う。
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