研究課題/領域番号 |
21K15925
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
瀧川 英彦 広島大学, 病院(医), 助教 (10883027)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | LAT1 / 大腸癌 / アミノ酸トランスポーター / 腫瘍間質 / 同系免疫応答 / 同所移植モデル / 腫瘍微小環境 / JPH203 / ナンブランラト / 同系免疫応答モデル / 間質 / RNAシークエンス / 同系免疫モデル |
研究開始時の研究の概要 |
アミノ酸トランスポーターLarge neutral amino acid transporter (LAT) familyのうち、LAT1は 腫瘍特異的に発現することから、癌化学療法における標的分子として注目されている。LAT1は、癌細胞のみならず、腫瘍間質や腫瘍免疫などの腫瘍微小環境へ影響することが報告されてきており、本研究では、同系免疫応答をする間質豊富な大腸癌マウスモデルを用いて新規LAT1特異的阻害剤JPH203による治療実験を行い、腫瘍微小環境に着目した免疫組織学的解析、網羅的解析を併用し、抗腫瘍効果の機序を解析する。さらに、解析結果に基づき、シナジー効果を有する併用薬の探索も行う。
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研究成果の概要 |
必須アミノ酸の細胞内取り込みを担うアミノ酸トランスポーターファミリー(LAT1-4)のうち,LAT1は癌細胞で特異的に発現する。新規のLAT1特異的阻害剤,JPH203は,癌特異的に飢餓を誘導することが期待されるが,大腸癌に対する抗腫メカニズムは不明であった。 本研究では、LAT1発現の癌進展における意義をデータベース解析,臨床検体,in vitro実験により解明し,マウス由来大腸癌細胞株と間葉系幹細胞のマウス回盲部同所移植により作製した,間質豊富な同系免疫応答マウス大腸腫瘍に対する治療実験に,網羅的遺伝子発現解析を加え,JPH203が癌増殖のみならず、腫瘍間質抑制にも有効であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌において,LAT1と腫瘍進展の関連性を解明し,治療標的としてのLAT1の意義を見いだした。新規のLAT1阻害剤JPH203は,LAT1を特異的に抑制する点で,従来のLAT family阻害剤とは差別化がはかれる薬剤であるが,同薬剤の大腸癌に対する有用性を示した。 JPH203は胆道癌のPhase2トライアルで良好な治療成績を示しているが,大腸癌への適応を考える際に意義のある結果を示した。さらに本研究で示したJPH203の有する腫瘍間質への抑制作用は,新規の知見であり,間質豊富な腫瘍への有用性を示すと共に,併用レジメでシナジー効果を発揮する薬剤を探索する際にも,有用な知見であると考えている。
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