研究課題/領域番号 |
21K15954
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
久保 智洋 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00634669)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | CIML NK cell / 選択的Class Ⅱa HDAC阻害薬 / 肝細胞癌 / NK細胞 / HDAC阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
肝癌に対する有効性の高い治療法を開発する鍵として、免疫細胞の一つであるNK細胞とマルチキナーゼ阻害薬以外の機序による新規治療の開発に着目し、本研究では、複数のサイトカイン刺激により作成した、強力な抗腫瘍効果のあるCytokine Induced Memory Like NK細胞の肝癌への応用と肝癌に高発現する選択的HDAC Class Ⅱaの病勢関与に焦点をあて、両者の併用による新規肝癌治療の可能性を追求する。
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研究成果の概要 |
肝癌細胞株に対するCIML NK細胞および肝癌に高発現し、遺伝子発現の調節に関わるHDAC Class IIaの選択阻害薬との併用による抗腫瘍効果を検討した。CIML NK細胞は、コントロールのNK細胞(IL-2の刺激のみ)と比較し、肝癌細胞株に対する細胞障害活性が高いことを明らかにした。一方、選択的 Class IIa HDAC阻害薬の暴露による肝癌細胞株の遺伝子発現の変化を検討したところ、NK細胞活性化受容体のリガンドであるULBP1、B7-H6遺伝子発現が低下し、肝癌細胞株に対するCIML NK細胞の細胞障害活性は選択的 Class IIa HDAC阻害薬を併用することで低下した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CIML NK細胞による免疫療法は、肝細胞癌に対しても高い抗腫瘍効果を示し、新たな治療戦略の一つとなる可能性が示唆されるが、今後、in vivoマウスモデルでの抗腫瘍効果の検討や癌微小環境内においてCIML NK細胞の細胞傷害活性が維持されるかなどについてさらにこの研究を発展させていく必要がある。一方で選択的 Class IIa HDAC阻害薬はCIML NK細胞の細胞傷害活性を減弱させたため、CIML NK細胞の効果を増強する他のepigenetic drugの探索が必要である。
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