研究課題/領域番号 |
21K15974
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 知訓 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (40886610)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 多倍体 / 細胞老化 / DNA傷害 / 細胞障害 / 多倍体化 / 肝障害 / 肝細胞 / 倍数性変化 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の体細胞は原則として各染色体を2セットもつ2倍体であるが、生体内には多数の染色体セットを持つ多倍体細胞が様々な臓器に存在する。多倍体化は細胞種によっては細胞の最終分化と分裂停止を惹起するとされ、不可逆的な細胞増殖の停止である細胞老化とも互いに深い連関があることが様々な事象により示唆されているが、両者の直接的な関わりの実態は未だ不明な点が多い。本研究では細胞老化の誘導と維持に倍数性変化がもたらす意義を明らかにすることを目的に、特に旺盛な倍数性変化を示すことが知られている肝細胞に着目し、マウス障害肝における肝細胞の倍数性変化と細胞老化誘導の相互作用について明らかとする。
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研究成果の概要 |
本研究では、加齢や臓器障害で蓄積する多倍体化と細胞老化という2つの細胞変化に着目し、その相互連関の解明を目指した。ヒト肝癌細胞株Huh7と正常2倍体上皮細胞株RPE1を用いた検討により、細胞老化の誘導過程ではしばしば多倍体化を伴う一方、多倍体化は必須ではなく2倍体のまま細胞老化に至りうることが明らかとなった。独自に樹立した安定多倍体細胞株を用いた検討により、多倍体細胞ではDNA傷害が多く蓄積しており、多倍体化はDNA傷害の惹起につながることも分かった。多倍体化および多倍体であることは細胞老化の惹起に必須ではないが、DNA傷害の蓄積と関連することで細胞老化の誘導に密接に関わることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢や臓器障害において多倍体化と細胞老化という2つの細胞変化がともに亢進・蓄積しており、特に細胞老化は様々な加齢性疾患の病態に関与していることがこれまで明らかとなってきているが、特に多倍体化の意義についてはほとんど明らかとなっていない。本研究により多倍体化と細胞老化惹起との相互連関が明らかになったことにより、未だ謎が多い、細胞障害における多倍体化が持つ意義の一側面が解明された。今後さらに検討を進めることで、臓器障害における多倍体化の意義の解明にもつながることが期待される。
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