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クローン病における腸管上皮幹細胞の分化誘導を介した大腸炎治療の試み

研究課題

研究課題/領域番号 21K15985
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分53010:消化器内科学関連
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

豊永 貴彦  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30773634)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
キーワードクローン病 / アミノ安息香酸 / 腸内細菌代謝産物 / 腸管上皮細胞 / 炎症性腸疾患 / 腸管上皮幹細胞
研究開始時の研究の概要

クローン病は、再燃と寛解を繰り返す難治性の腸管炎症性疾患である。腸炎の発症と進展には、腸管上皮バリア機能の低下が関与しているが、その機序は不明であり、腸管上皮細胞を標的とした薬物治療は未だ存在しない。申請者は、クローン病患者の大腸上皮では、強い細胞間接着能を有するコロノサイトへの分化障害が生じていることを報告した。そこで本研究では、初代培養ヒト大腸上皮幹細胞を用いて、コロノサイトへの分化誘導化合物による上皮バリア増強効果を確認し、マウス腸炎モデルを用いて、同化合物による腸炎減弱効果を検証する。本研究課題の成果により、 腸管上皮細胞を標的とした新たなクローン病治療薬の開発が期待される。

研究成果の概要

既知の119種類の腸内細菌代謝産物を用いてCaco2細胞を刺激したところ、アミノ安息香酸によるTEER上昇率が最も高く、上皮細胞間透過性を低下させた。ヒト糞便を用いた予測メタゲノム解析と質量分析の結果、クローン病患者では健常者と比較してアミノ安息香酸の分解に関わる遺伝子発現量が上昇しており、糞便中のアミノ安息香酸の含有量が有意に低下していた。デキストラン硫酸を用いて上皮障害性急性大腸炎モデルマウスを作成し、アミノ安息香酸を注腸投与による腸炎減弱効果を検証したところ、アミノ安息香酸注腸群では体重減少の改善と腸管重量/腸管長比率の低下が見られ、アミノ安息香酸による腸炎減弱効果が示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

クローン病患者の腸管における細菌代謝産物の構成変化については、短鎖脂肪酸やトリプトファン、胆汁酸などいくつかの報告が見られるが、アミノ安息香酸の減少については未だ報告はなく、クローン病の病態における役割も未だ不明である。本研究の成果によって、クローン病患者の腸管では、腸内細菌叢の機能変化に伴いアミノ安息香酸の分解が亢進しており、腸管上皮細胞間透過性の亢進を介して腸炎発症に寄与していることが示唆された。これらの結果は、クローン病の病態におけるアミノ安息香酸の役割を明らかとし、アミノ安息香酸を標的とした新たなクローン病治療の開発に有用と考える。

報告書

(3件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 炎症性腸疾患における腸管内アミノ安息香酸代謝異常と上皮バリア機能の関連検討2023

    • 著者名/発表者名
      田中美帆、豊永貴彦、猿田雅之
    • 学会等名
      第109回 日本消化器病学会総会 ワークショップ8
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ACCELERATED DEGRADATION OF FECAL AMINOBENZOIC ACID DISRUPTS INTESTINAL EPITHELIAL BARRIER FUNCTION IN PATIENTS WITH INFLAMMATORY BOWEL DISEASE2023

    • 著者名/発表者名
      Miho Tanaka, Takahiko Toyonaga, Fumiyuki Nakagawa, Naoki Shibuya, Masayuki Saruta
    • 学会等名
      Digestive Disease Week 2023
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-01-30  

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