研究課題/領域番号 |
21K15986
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
黒田 誠司 日本医科大学, 大学院医学研究科, ポストドクター (00740622)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 腫瘍溶解性ヘルペスウイルス / 膵がんオルガノイドモデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「膵癌をターゲットとした新規治療用ヘルペスウイルス(HSV) ベクターの開発」を行う。 国内外の臨床試験で抗腫瘍効果・安全性について良好な結果が得られている腫瘍溶解性HSVを基盤として、生体内のがん微小環境により近い状態が再現可能ながんオルガノイド3次元培養系技術と、申請者らが持つ豊富なゲノム編集技術と知識を組み合わせることで、膵がん治療において腫瘍溶解活性を最大限に引き出すゲノム変異および部位を特定する。 得られた解析情報を統合し、難治性がんの代表である膵癌に対する新規腫瘍溶解性HSVの開発・臨床応用の早期実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、新たながん治療モダリティとして注目される腫瘍溶解性ヘルペスウイルス(oHSV)をベースに、膵癌治療に特化した新規oHSVの開発を行う。本目標達成のためにヒト膵がん患者由来サンプルより樹立したヒト膵がんオルガノイドモデルを利用し、実際にヒト膵がんに高い感染・複製能力を示す治療効果の高い新規oHSVの開発・特性解析を行う。前年度までに我々はoHSVに対してBacterial artificial Chromosome(BAC)を挿入したoHSV-BACを構築し、その構造解析・機能解析からoHSV-BACは元のoHSVの構造を保ちつつ、大腸菌内での遺伝子操作が可能であることを確認した。本年度は、樹立したoHSV-BACの複数のクローンについて全シークエンス解析を実施した。その結果、配列レベルでoHSV-BACは大腸菌内でもoHSVの遺伝情報を忠実に保っていることが明らかとなった。現在、作製したoHSV-BACを用いて新規oHSV作製のための遺伝子改変を進めている。一方、樹立した膵がんオルガノイドモデルについて特性解析を進め、由来となる腫瘍の性質が保持されていることを確認した。加えてヒト膵がん3次元培養モデルとして、新たにヒト膵がんスフェロイドモデル、浮遊培養モデルを構築した。実験系に応じてこれらを併用する。作製したヒト膵がん3次元培養モデルに対するoHSVの感染能力及び殺傷性を評価するために、ヒト膵がん2次元培養あるいはスフェロイド3次元培養モデルに対して感染試験を行った。その結果、oHSVは2次元培養においては膵がん細胞に効率的に感染し殺傷する一方、3次元培養モデルでは感染性・殺傷性ともに2次元培養と比較して効率が大幅に落ちることが判明した。引き続き、oHSVの3次元培養モデルにおける特性を解析するとともに、BAC化されたoHSV-BACの遺伝子改変を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、oHSVの遺伝子改変効率化のためのBACの挿入及びそれを用いた遺伝子改変、またヒト膵がん3次元培養モデルにおけるoHSVの特性解析を予定していた。oHSV-BACの全ゲノムシークエンス解析にはロングリードシーケンスの技術的な問題から多くの時間を費やす必要があったが、無事に完了し、oHSV-BACを用いた遺伝子改変を開始するに至った。ヒト膵がんオルガノイドモデル並びに各3次元培養モデルの構築、それらを用いたoHSVの特性解析も開始することができた。従って、本研究は概ね予定通り進行している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度完成したoHSV-BACを基盤に様々な遺伝子改変を施し、新規oHSVの作製を進める。 並びに、3次元培養モデル・in vivoモデルを用いたoHSV腫瘍溶解性の評価を行い、得られた解析結果を統合して膵がん細胞破壊に有用な遺伝子変異を同定する。以上の情報を統合して、膵がん治療に効果的な改良型C-REVの作成を目指す。
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