研究課題/領域番号 |
21K15997
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
明神 悠太 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20838817)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / 肝星細胞 / 癌微小環境 / シングルセルシークエンス / GDF15 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞は微小環境を自身の増殖に有利に変化させて発育進展する。肝癌では星細胞が存在し、微小環境形成に寄与している可能性がある。先行研究で申請者は、肝癌細胞と共培養した星細胞では複数の遺伝子の発現上昇を伴ってオートファジーが促進することを見出した。また、肝星細胞のオートファジー亢進を抑制すると、肝癌発育進展が抑制されることを見出している。本申請課題では、先行研究「肝星細胞オートファジーの癌微小環境を通じた肝癌細胞増殖機序の解明」を発展させ、肝星細胞が肝癌微小環境において肝癌細胞にあたえる細胞間コミュニケーションの分子基盤を解明し、肝癌細胞増殖にあたえる新規メカニズムの解明を目的として研究を行う
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研究実績の概要 |
先行研究において、肝癌細胞と肝星細胞の相互作用にGDF15が関与していることを明らかにした。この作用機序について2021年はさらに検討を行った。 GDF15はストレス応答タンパクと考えられており、肝癌細胞・肝星細胞の共培養時における飢餓状態が関与していると考え、肝癌細胞と肝星細胞をアミノ酸飢餓培地で培養を行った。その結果、肝星細胞でオートファジー必須タンパクであるATG7をノックアウトしている細胞では、星細胞のGDF15発現上昇は軽減した。また、その際に小胞体ストレスマーカーであるGRP78が上昇したため、小胞体ストレスを促すツニカマイシンの負荷を行い検討をおこなった。その結果、GRP78やGDF15の発現は上昇したが、星細胞のオートファジーを抑制することではこの上昇は軽減せず、小胞体ストレスとは異なる機序の存在が示唆された。動物実験においては先行研究で作成した星細胞特異的にGDF15をノックアウトしたマウスに線維化刺激や高脂肪食負荷による検討を行うため、準備を行った。
また、臨床においては肝細胞癌における微小環境構成細胞の腫瘍増殖効果を検証するためにさらにシングルセルシークエンスの症例数を増加させた。
さらに、臨床においては肝癌の予後予測バイオマーカーとなる可能性を先行研究で明らかとしており、さらに慢性肝疾患における血清GDF15の意義について臨床検体を用いて検討を行った。当院で肝生検施行歴のあるC型肝炎患者の保存血清を用いてGDF15を測定したところ、線維化マーカーとの相関をしめし、今後、その予後との相関について検討を追加していく予定である。
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