研究課題/領域番号 |
21K16011
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
堀谷 俊介 関西医科大学, 医学部, 助教 (90701649)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Rap-GAP / T cell trafficking / integrin / lung / Rap1 / LFA1 / T-cell recirculation / egress / インテグリン / Rasa3 / Sipa1 / RapGap / 炎症性腸疾患 / 制御性T細胞 / Rap1シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患では、制御性T細胞による過剰な免疫反応の抑制機構が破綻し、組織破壊を伴うTh1、Th17反応の亢進が認められる。制御性T細胞はTh細胞の産生・活性化を抑制し、通常のリンパ球とは異なる高い移動性を示しながら抗原提示細胞等と相互作用する。この過程で接着分子インテグリンが重要な役割を担っている。低分子量G蛋白質Rap1はインテグリン接着能を調節するマスターレギュレーターである。本研究ではRap1活性化制御による制御性T細胞の特徴的な接着動態を生み出す機構およびその破綻による抑制機能、炎症性腸疾患発症への影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
低分子量G蛋白質Rap1は、インテグリンを介したリンパ球の接着・輸送に必須であるが、Rap1不活性化の生理的役割は不明である。Rasa3, Sipa1二重欠損(DKO)T細胞は自発的なRap1の活性化と接着を誘導し、強固な接着により肺毛細血管に捕捉されたが、中和抗体によるLFA1の阻害、talin1やRap1の欠損で肺への捕捉は阻害された。さらに、DKO T細胞はリンパ洞で高い運動性を維持し、リンパ節実質に頻繁に戻りリンパ節からの移出が破綻していることがわかった。本研究により、Rap1不活化制御がT細胞の接着・輸送を調節し、T細胞の再循環に重要であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果により、円滑なT細胞の再循環にはRap1を抑制して不必要なインテグリンの活性化を防ぐ必要があることが明らかとなった。 Rasa3とSipa1によるRap1の不活性化制御が生体内でのT細胞の接着・移出過程を調節し、T細胞の再循環に重要な役割を果たしていることを明らかとなり、これらの分子を標的とした免疫調節薬の開発に寄与することが期待される。
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