研究課題/領域番号 |
21K16019
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
假屋 太郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30756127)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 有限要素法 / 多光子顕微鏡 / Photogrammetry / 敗血症性心筋障害 / 房室弁 / 心室筋 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症性心筋症では左右心室で異なる様式の機能低下が示唆されているが、メカニズムや血行動態への寄与は不明である。その理解のためには、左右心室筋のストレス応答の違いと、僧帽弁・三尖弁の物性を統合する必要がある。申請者は左右心室筋のストレス応答や、有限要素法での心臓シミュレーションを研究してきたが、これらと心臓弁の物性を統合し、敗血症性心筋症の血行動態の理解に迫る着想を得た。本研究は、仮説「敗血症性心筋障害の血行動態は弁を含む左右心室の異なる反応性で形成される」のもと、弁の物性と、左右心室筋の応答の違いを明らかにし、コンピュータシミュレーションを用い敗血症性心筋症下の体肺循環連関のメカニズムに迫る。
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研究実績の概要 |
【具体的内容】荷重ピンセットのプロトタイプについては設計上の問題点が見つかったために、改善を要しており、現在改善に取り組んでいる。ブタおよびイヌ僧帽弁の部分的な長さ・張力関係を測定し、弁の物性の特性を得ることについては、ブタ心臓の入手が極めて不安定となったために、イヌ心臓に切り替えて継続している。安定したイヌ心臓の供給元を探すために時間を要した。Photogrammetryソフトウェアでの静的な心臓模型の解析については、ほぼプロトコルが確定し、精度面での問題は小さいことが確認できたので、現在は、イヌ摘出心臓を用いたex vivoの測定を行い、その測定が安定するように什器を調整している。入手した血行動態ソフトウェアを用いて、患者の血行動態を再現し十分説明できるかを確認し、日本語の総説にまとめた。房室弁の線維方向の同定のために多光子顕微鏡が応用できることを見出した。正確な測定のために組織透明化を加えることとし、透明化並びに撮像のプロトコルを探索した。プレリミナリな検討を済ませ、プロトコルをほぼ確定させた。現状はNを増やしている。 【意義・重要性】荷重ピンセットは完成まで時間を要しているが、これまで報告がなく、完成が待たれる。Photogrammetryの利用を心臓に応用できることが示せそうである。研究中に派生したテーマである多光子顕微鏡での房室弁線維方向の同定は、これまで報告がほとんどなく、新規性が高いと考えられ、本研究を強くサポートするためにも、進めるに値すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ブタ心臓の入手経路が非常に不安定となったために、イヌ心臓の入手経路を模索していたため遅れが生じた。現在は心臓の入手に問題は小さくなった。他の課題はおおむね進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
イヌ心臓の入手経路を安定化させる。荷重ピンセットの設計上の問題点を克服する。それらによって房室弁の長さ張力関係を測定する。これによって有限要素法での僧帽弁・三尖弁モデルを作成する。弁の線維方向の同定は多光子顕微鏡で可能そうであることが分かったのでこれを進める。機材とアクセスに問題はなく、プレリミナリ検討は済ませてある。左右心室筋のmRNAプロファイルを正常例で比較し、疾患マウスモデルでも同様に比較する。ヒト僧帽弁・三尖弁の入手を始める。敗血症患者での臨床データを取得する。
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