研究課題/領域番号 |
21K16020
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梅井 正彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (30897690)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 心不全 / 短鎖脂肪酸 / 腸内細菌叢 / 心肥大 / 慢性炎症 / 腸内細菌代謝物 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
心不全患者においては腸内環境の悪化によってdysbiosisが生じた結果、短鎖脂肪酸が減少することが予想されており、その結果さらに心不全増悪を来すという悪循環、すなわち心腸連関病態機構が体内で機能している可能性がある。我々は過去に心不全患者で短鎖脂肪酸産生菌が健常者に比べ有意に減少していること、さらに生活習慣病においては健常人に比較して心肥大が助長されやすい可能性が示唆された。今回、我々は心不全における心筋における炎症を介した心筋線維化・心肥大や収縮・拡張不全の発症機序について短鎖脂肪酸の分子メカニズムの視点から注目し、更なる心不全病態を明らかにする計画を立案した。
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研究成果の概要 |
概ね当初の研究予定通り、心臓における短鎖脂肪酸受容体探索、そして短鎖脂肪酸の中でも酪酸において心臓でのHDAC阻害作用を呈することを明らかとし、心臓肥大に関与するメカニズムについて解析を行った。さらに今年度、腸内細菌叢解析と短鎖脂肪酸濃度解析を追加し、心不全と腸内細菌叢との関連、心腸連関についての解析を実施した。 心不全モデルマウ スに対する便中短鎖脂肪酸濃度測定において、心不全モデルで有意に酪酸の濃度が低下していることが明らかとなり、in vitroの結果とあわせると酪酸低下が心肥大亢進に関与している可能性も検討される。心不全改善の寄与への関与については今後の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸内細菌叢が生活習慣と関連があることが次々と明らかとなっている。その中で、腸内細菌叢の構成異常が生じると、心不全が増悪しうることを今回明らかとした。すなわち心不全患者においては生活習慣などの腸内細菌叢構成異常を伴う疾患を罹患している場合、さらに心不全が増悪する可能性がある。また腸内細菌叢改善により心不全の増悪や助長を抑制しうる可能性も今後検討される。
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