研究課題/領域番号 |
21K16024
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
市川 啓之 岡山大学, 大学病院, 医員 (50896941)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 冠動脈周囲炎症 / 冠動脈CT / 冠動脈ハイリスクプラーク / 冠動脈周囲炎症イメージング / 冠動脈疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease ; NAFLD)の患者数は世界的に増加の一途をたどっている。NAFLDは冠動脈疾患イベントの独立した危険因子となることが明らかとなっており、その病態解明・予防法の確立は重要な課題である。本研究では、冠動脈CTによる冠動脈周囲炎症イメージング(perivascular fat attenuation index ; FAI)を用いて、NAFLD患者における冠動脈周囲炎症とハイリスクプラークとの関連を明らかにすることで、NAFLDと冠動脈疾患との分子機構を解明する。さらに、薬物治療による冠動脈周囲炎症の経時的変化を観察し、NAFLDに対する治療戦略の開発・基盤構築を目指す。
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研究実績の概要 |
NAFLD患者において冠動脈周囲炎症(FAI)の評価を行うことの有用性については不明であった。そこで我々は、当院にて心臓CTを撮像したNAFLD患者において予後調査を行い、FAI測定の有用性を検討した。結果、従来のCT所見であるハイリスクプラークにFAIを追加することで、予後予測能が改善することが明らかとなった(Heart and Vesselsにアクセプト)。本研究結果から、冠動脈疾患が疑われ心臓CTを撮像するNAFLD患者において、冠動脈周囲炎症まで評価を行うことで、将来的な冠動脈疾患発症がハイリスクであるNAFLD患者を同定できる。 また、FAI活性化と冠動脈疾患増加のメカニズムについてもいまだ不明な点が多い。我々は、心臓CTと血管内皮機能検査(FMD)をともに施行している患者において、FAIとFMD値との関連を検討した。その結果、FAI活性化とFMD低値(血管内皮機能障害)は有意に関連していることが明らかとなった(Journal of Atherosclerosis and Thrombosisにアクセプト)。ゆえに、FAIが活性化している患者において、内皮機能障害が冠動脈疾患増加の一つのメカニズムであると考えられる。 今後は、FAIと冠動脈疾患増加のメカニズムをバイオマーカー等との関連から研究する予定である。さらに、FAIを改善する治療法についても研究を行う。これらが明らかとなれば、NAFLD患者における冠動脈疾患イベント予防法を確立できる可能性がある。
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