研究課題/領域番号 |
21K16032
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
太田 慎吾 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30612931)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ST上昇型急性心筋梗塞後心筋内出血 / 来院時高血糖 / MMP-9 / 心臓MRI検査 / 心筋内出血 / MMP-9 / ST上昇型急性心筋梗塞 / 再灌流後心筋内出血 / 急性心筋梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
心筋内出血は、早期再灌流治療の残された最大の課題である。その臨床的予測因子ならびに機序を知ることは、急性心筋梗塞患者の予後を改善する新たな治療法の確立につながる。我々は来院時高血糖が心筋内出血を惹起する臨床的因子であること、ならびに両者をつなぐ分子がMMP-9であると仮説を立て、基礎研究および臨床研究の両面からアプローチし仮説の証明を行う。
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研究実績の概要 |
ST上昇型急性心筋梗塞患者における来院時高血糖が、予後悪化に関与することは古くから報告されている。さらに、来院時高血糖は急性心筋梗塞再灌流治療後の冠微小循環障害に関与すると報告されており、それが患者予後を悪化させる機序の一つと考えられている。冠微小循環障害の最重症型である心筋内出血と来院時高血糖との関係についての報告は少数であり、機序に関する報告は皆無である。我々は174人の初回急性心筋梗塞患者でprimary PCIを施行した患者を対象に、来院時高血糖と心筋内出血との関連を調査した。なお、心筋内出血は、心臓MRI検査T2強調像での「高信号内低信号域(hypointense core in hyperintense area)」と定義した。本研究において、心筋内出血群では非心筋内出血群と比較し有意に来意時血糖値が高いことが判明した[心筋内出血群 vs. 非心筋内出血群; 208.5 (157.8-300.5) mg/dL vs. 157.0 (128.8-204.3) mg/dL, p<0.001]。また、来院時高血糖が心筋内出血発症の独立した予測因子であることを証明した(Odd ratio: 1.012; 95 % CI: 1.005-1.020, p=0.001)。さらに、コホート内の13人において、来院時血糖値と責任冠動脈内MMP-9濃度に正の相関関係があること、および心筋内出血患者では有意にMMP-9濃度が高いことを見出した。すなわち、来院時高血糖患者では責任冠動脈内においてMMP-9が過剰分泌され、それが心筋内出血を惹起する可能性があることを見出した。本研究内容は、令和4年度に、日本心臓病学会が発行する学会誌であるJournal of Cardiology誌に発表した。令和5年度は、本研究結果をもとに来院時高血糖とMMP-9および心筋内出血の関係について前向き研究を施行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ST上昇型急性心筋梗塞患者数が当初予定していた人数より少なく、患者登録に遅延が生じているため。
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今後の研究の推進方策 |
当院にてprimary PCIを施行するST上昇型急性心筋梗塞患者を可能な限り全例登録する。
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