研究課題/領域番号 |
21K16040
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
木下 利雄 東邦大学, 医学部, 院内講師 (00723719)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | がん治療関連心筋障害 / 心電図 / 脱分極・再分極異常 / 心電学指標 / 脱分極異常 / 再分極異常 |
研究開始時の研究の概要 |
がん治療関連心機能障害(cancer therapy-related cardiac dysfunction;CTRCD)に対する早期の心保護治療介入が有効であることが明らかになった一方、CTRCDの早期検出法は未だ確立されていない。本研究では、近年新たに開発された高分解能心電計を用いてさらに鋭敏な新規心電学検査指標を同定する。本研究の成果により、CTRCDの予防および早期治療に繋がり、より安全かつ有効ながん化学療法の実施が可能となることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、アントラサイクリンによるがん治療関連心筋障害(CTRCD)における脱分極異常、再分極異常といった心電学指標を前方視的観察研究において詳細に評価することにより、以下の研究課題目標を達成する。課題1:CTRCDにおける脱分極異常、再分極異常の検出に有用な心電学指標を同定する。課題2:課題1で同定した心電学指標とその他の既存のモダリティとの比較検討により、CTRCD発症の早期検出能力を評価する。2021年度の研究では、課題1について、現在アントラサイクリン使用患者で測定した12誘導心電図の解析から、CTRCDを発症した患者において再分極指標のActivation recovery interval(ARI)、Recovery time(RT)の有意な延長が認められ、かつこれらの変化がアントラサイクリンの使用自体ではなく、CTRCDを発症した患者においてのみ認める特徴的な変化であることが分かった。これまで多くの報告があるQTcの延長については、CTRCDを発症していない患者においても認める変化であり、アントラサイクリンを使用すること自体による変化と考えられた。この結果からCTRCDを評価においては従来のQTc延長よりもARI、RTの延長がより正確な指標となる可能性が考えられた。2022年度では、この結果を日本不整脈心電学会第3回心電学関連春季大会にて発表した。2023年度では、論文化しJournal of Cardiology誌に掲載された。現在、課題2については症例およびデータの集積中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、アントラサイクリンによるがん治療関連心筋障害(CTRCD)における脱分極異常、再分極異常といった心電学指標を前方視的観察研究において詳細に評価することにより、以下の研究課題目標を達成する。 課題1:CTRCDにおける脱分極異常、再分極異常の検出に有用な心電学指標を同定する。課題2:課題1で同定した心電学指標とその他の既存のモダリティとの比較検討により、CTRCD発症の早期検出能力を評価する。 課題1については有用な心電学指標の絞り込みが順調に行えており、論文化が完了し達成された。課題2については、ホルター心電図、CAVI、ABI、心筋逸脱酵素などのその他のモダリティを用いた症例のデータ蓄積がなされている。しかし、集積したデータの種類および量が多く解析に時間を要し、この点でやや進捗状況が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
データ解析のペースを上げ、結果の検討を早期に行う。 現在得られたデータ解析結果につき学会発表および論文化を速やかに進めていく。
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