研究課題/領域番号 |
21K16047
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 寛奈 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80890459)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 心不全 / 予後予測指標 / 一細胞解析 / マルチオミックス解析 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト心不全の分子病態を明らかにするために、心不全患者の心筋組織を用いた一細胞解析をはじめとする高解像度マルチオミックス解析を行う。心不全の発症進展にかかわる分子メカニズムおよびその制御機構を明らかにし、臨床病型や予後を規定する因子を見出すことを目標とする。
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研究実績の概要 |
東京大学医学部附属病院において心臓移植手術または植え込み型補助人工心臓装着手術を行った重症心不全患者の心筋組織並びに、心不全患者の心筋生検組織を用いて心筋一細胞トランスクリプトーム解析、並びに心筋組織の病理組織学的解析、臨床経過との統合解析を行い、心不全の進行に伴う遺伝子発現状態の変化及び細胞状態の変遷を解析し、心不全の進行に伴って複数の遺伝子発現状態(クラスター)に分けられること、またそれらがpseudo timeによって5つの異なる細胞状態の変遷(trajectory)へ別れることを見出した。 その中で、心不全心筋にけるDNA関連遺伝子及びタンパクの発現がDCMのみならず他の心疾患においても治療後の左室機予後の不良を示唆すること示された。さらにマウス線維芽細胞を用いた一細胞トランスクリプトーム解析で見いだされた知見との統合解析により、遺伝子発現状態により分類された心筋クラスターの中でも、健常心筋及び不全心筋でそれぞれ特徴的に高発現を示す遺伝子クラスターを見出した。 とくに不全心筋で高発現を示す遺伝子クラスターに含まれる遺伝子群について、心不全患者の血清プロテオーム解析を行ったを既報論文のデータを用いて解析を行い、特に重症心不全患者の血清で有意に拘置を示す遺伝子の存在を見出し、このタンパク発現量がすなわち心不全の血清マーカーとなりうることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症蔓延による昨年からの進捗の遅れ、及び研究者の体調の都合により、研究全体及び解析状況に予定より遅れが生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
心筋の遺伝子発現状態を制御するエピゲノム機構及び時間空的解析についてはいまだ明らかになっていないが解析プラットホームを樹立しつつあり、今後随時解析を行う予定である。心不全の病態、遺伝子変異によるトランスクリプトームの相違も大変興味深く、遺伝子変異解析データも別研究で進めている。統合解析についてもより洗練された法も日々updateされており、最適な手法を選択しつつデータを統合し解析を深めてゆく。また重症心不全より早期の心不全患者への解析拡大、分子病態に基づく評価指標は研究の臨床応用に非常に重要であるが、症例・検体は順調に蓄積されており、今後随時組み入れ解析を行う。
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