研究課題/領域番号 |
21K16048
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石塚 理人 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (60897677)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | CXCR7 / 心筋梗塞 / CXCL12 / SDF-1 / 心不全 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、心筋梗塞後に心臓が拡大し収縮能が低下していく過程における、ケモカイン受容体CXCR7と関連する炎症細胞の、統合的機能解析である。我々は心筋細胞に発現するCXCR7が、心筋梗塞後の心拡大や収縮能低下に対し保護的に働いていることを既に発表した。心筋梗塞後には、急性炎症および組織修復過程において、炎症細胞が関わって、心拡大や収縮能低下に関与していると考えられる。その過程に関わる炎症細胞と、CXCR7の相互作用の解明を行う。また、心筋細胞においてCXCR7を過剰発現させることによる、心不全病態への影響も解明する。
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研究成果の概要 |
ラット新生仔単離心筋細胞に対し、CXCR7の特異的アゴニストTC14012で刺激した。遺伝子発現の変化を、RNAseqを用いて解析した。細胞骨格やミトコンドリア代謝に関わる遺伝子発現の変化を認めたが、有意な変化があった遺伝子群が少なく、GO解析で具体的なpathwayを見出すことはできなかった。虚血下と異なり、正常状態での心筋細胞に対しての作用が少ないことが示唆された。ゆえに、心筋梗塞のような虚血状態を再現するために低酸素チャンバーを用いた実験を進めている。また、マウス心筋梗塞モデルにおいても、心筋梗塞後に経時的にアポトーシスと関連する遺伝子発現の変化があることを見出し、解析を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CXCR7は、心筋梗塞後リモデリング形成過程において心保護的に働くことが示されたものの、CXCR7と共役するβアレスチンとERK以下の、細胞死に関わる経路は全くもって不明であった。今回、CXCR7が正常状態に比べて、より虚血下で作動することが示唆され、特にアポトーシス抑制に関わるシグナルとの関連が疑われた。更に条件検討を行い、より網羅的な解析を行うことで、CXCR7と細胞死を結びつけるより詳細なpathwayが解明され、心筋梗塞や心不全を治療するための創薬に繋がると考える。
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