研究課題/領域番号 |
21K16065
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
平出 貴裕 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (20897673)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 難治性血管病 / 肺動脈性肺高血圧症 / 遺伝学 / RNF213 / 病態解明研究 / CRISPR-Cas9 / ゲノム / RNF213遺伝子 / もやもや病 / マウスモデル / 病態解明 / ゲノム解析 / オミクス解析 / 全身血管病 / 指定難病 / 個別化医療 / 遺伝子関連血管病 |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は若年女性に好発する稀少疾患であり、治療法が乏しい時代には平均余命が約2.8年と予後不良な疾患であった。肺血管拡張薬の開発で予後は大幅に改善したが、根本的な治療法はない。我々はPAHの発症に関連する遺伝子としてRNF213遺伝子の多型変異(R4810K)を報告した。この変化を有する患者は従来の肺血管拡張薬への治療反応性が乏しく、生命予後が有意に不良であった。この遺伝子は脳血管の病気であるもやもや病など、複数の難治性血管病とも関連がある。本研究は遺伝子関連血管病が発症する機序を解明し、PAHの新規治療薬を開発し、患者ごとの個別化医療を実現する事が目的である。
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研究成果の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は若年女性に好発する希少疾患で、未治療の際の平均余命は診断から約2.8年と予後不良な疾患である。肺血管拡張薬の開発で予後は改善してきているが、いまだに根治療法はない。RNF213遺伝子のR4810Kバリアントは、東アジア人特有のPAH発症関連遺伝子変化であるが、バリアントを有する患者は肺血管拡張薬への反応性に乏しく、新規治療法の開発が期待されている。我々はマウスにバリアントを導入し、低酸素刺激を加えることでPAHモデルを作製した。肺の組織では炎症性ケモカインが上昇しており、阻害薬を投与することで軽快した。炎症性ケモカインが新たな治療ターゲットになることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、日本人特有の遺伝子変化に起因する肺動脈性肺高血圧症の発症メカニズムを解明した。従来の肺血管拡張薬への反応性が乏しかった患者群にとっては非常に有意義な研究成果であり、また根治療法開発に向けた将来性もある。肺動脈性肺高血圧症は指定難病であり、高額な肺血管拡張薬を生涯にわたり使用する必要がある。根治療法を開発することで、医療資源の消費を抑える点で社会的に有用である。
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