研究課題/領域番号 |
21K16068
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
村上 力 東海大学, 医学部, 講師 (60631843)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | たこつぼ型心筋症 / 心原性ショック / 心筋生検 / 遺伝子発現 / 脳心連関 / ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
ストレスを契機に発症する、たこつぼ型心筋症は発症時に死に至る可能性があるにも関わらず、発症メカニズムは未だ不明な点が多い。ストレスにより引き起こされる事から脳の関連が示唆されているが、どのように全身、心臓に作用しているかは解明されていない。脳心連関という観点から、脳血流シンチ、自律神経系、心筋での急性期における心筋細胞での発現遺伝子の探索についての検討を行い、病態解明に繋げることを目的とする。
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研究実績の概要 |
たこつぼ型心筋症の急性期に、左室流出路狭窄による僧帽弁前方運動から僧帽弁閉鎖不全が起こり心原性ショックとなった症例であるTakotsubo syndrome complicated by cardiogenic shock due to left ventricular outflow tract obstruction, acute mitral regurgitation and atrial fibrillationをEuropean Heart Journal Case Reportsに投稿し、2024年4月25日の時点で、現在2回目のrevise中である。 また、2ヶ月間の間に2回の再発を起こした、たこつぼ型心筋症の症例であるShort-term recurrence of takotsubo syndrome with phenotypic variationをEuropean Heart Journal Case Reports (2023) に報告することが出来た。初回の発症は、心尖部無収縮、心基部過収縮のapical ballooning typeであったが、1回目の再発は、心尖部過収縮、心基部無収縮のbasal type、2回目の再発は再度apical ballooning typeであった。たこつぼ型心筋症は、従来から心尖部から心基部にかけて交感神経受容体の違いによって、様々な型のたこつぼ型心筋症が起こるとされていたが、この症例は従来の定説を覆すものと考える。たこつぼ型心筋症は重症化する可能性があるにも関わらず、なぜ発症するか、何が発症予防、重症化予防になるかは分かっていない。心筋生検から得られた心筋の遺伝子発現を行うことで、新しいアプローチからの病態解明に繋げていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
たこつぼ型心筋症は急性冠症候群の2-3%程度の割合で発症するとされているが、当院では2023年度、5例程度のたこつぼ症候群がカテーテル検査を行った。International Expert Consensus Document on Takotsubo Syndrome (Part II): Diagnostic workup, Outcome, and Management (European Heart Journal (2018) 39, 2047-2062)によると、従来まで必須であった、カテーテルによる冠動脈造影検査であるが、冠動脈CTにより代用してよいという診断法が世界的に広まっている。そのような背景から、心エコー、心電図、冠動脈CTで診断が出来る方が多くなり、必然的にカテーテル検査が少なくなり、心筋生検が少なくなっているのが現状であり、症例数という観点からやや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
症例数が限られているたこつぼ型心筋症であるが、全くないわけではない。そのために、東海大学関連施設に症例数の登録を呼びかけ、症例数の確保にて解析のさらなる妥当性を高めていきたいと考えている。 また、今まで行った心筋生検の遺伝子発現の累積症例数は確実に伸びているために、未来の解析につなげていきたい。
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