研究課題/領域番号 |
21K16074
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
須田 彬 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70844249)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 院外心停止 / ECPR / ハイブリッドER / ハイブリッド救急室 / データベース化 |
研究開始時の研究の概要 |
ハイブリッド救急室は一般的な救急初期診療に加え、全身のCT検査や各臓器のカテーテル検査と治療、また緊急手術までを同一の診療室で一貫して行うことが可能な診療システムであり、主に外傷診療を対象として近年日本で開発され、これまで検査や手術までの時間短縮だけでなく院内死亡率も低下させたと報告されています。本研究の目的はこのハイブリッド救急室使用が、未だ救命率の低い院外心停止患者、特に急性心筋梗塞や致死性不整脈、急性心不全などの急性心疾患による院外心停止の心肺蘇生や初期治療戦略において有効な手段となりうるかどうか検討することであります。
|
研究実績の概要 |
院外心停止患者に対するハイブリッドERでのECPRの有用性を評価する後ろ向き研究を行っている。2022年度は主に患者のデータベースの作成を行い、ハイブリッドERができる以前の患者情報と、ハイブリッドERができてからの患者情報を電子カルテと一部紙カルテを遡り情報収集を行った。患者データベースを作成した後に、主要アウトカムを中心とした統計学的な比較を行った。病着からECMO導入までの時間はハイブリッドER群で有意に短縮されていたものの、主要アウトカムとして設定していた神経学的予後の改善については両群で有意差を認めなかった。また、ハイブリッドER群では出血の合併症などが低下することが想定されたが、出血合併症についても有意差は認められなかった。一方で、ハイブリッドERではX線による透視を併用した手技を行うことにより、ECMOカテーテルの位置異常や挿入できなかった症例は認められず、有意差はないもののハイブリッドERの有用性が示唆される結果となった。本研究の結果より、ハイブリッドERではECMO導入を安全かつ迅速に行うことができる可能性が示唆されたが、院外心停止患者の予後改善に対する有意な結果は得られなかった。心停止患者の予後については病院前の因子が大きく関与してくることもあり、このような結果になったと考えられる。病院前の対応を含めて、院外心停止患者に対する適切な処置を考えていく必要があると考えられる。結果は2023年3月に行われた日本循環器学会で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
主要アウトカムを中心とした統計学的な解析は終了しており、論文作成に迎える状況にあるため
|
今後の研究の推進方策 |
論文作成を行い、今年度中の受理を目指す。
|