研究課題/領域番号 |
21K16077
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
渡部 浩明 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (80795302)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MDCT遅延造影 / 急性心筋梗塞 / 左室内血栓症 / 急性腎障害 / 脳梗塞 / 全身塞栓症 / 心血管イベント / 遅延造影MDCT |
研究開始時の研究の概要 |
左室内血栓症は急性心筋梗塞の合併症の1つであり、脳梗塞を含む全身塞栓症の原因となる。一方、我々は心筋梗塞の急性期に治療として行う経皮的冠動脈形成術(PCI)中に冠動脈に注入した造影剤を利用して、PCI終了直後に心電図同期下に非造影でMDCTを撮像することで得られる遅延造影像を用いて心筋梗塞の梗塞範囲、左室リモデリングや心筋のバイアビリティを評価できることを明らかにした。本研究では、この手法を用いて急性心筋梗塞患者に対するPCI直後に施行したMDCT遅延造影が心筋梗塞後の急性期左室内血栓の発症および慢性期全身塞栓症の発症を予測しうるかを多施設共同研究で明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、心筋梗塞の急性期に治療として行うPCI中に冠動脈に注入した造影剤を利用してPCI終了直後に非造影で心電図同期下のMDCTを施行し得られる遅延造影像を用いて心筋梗塞の心筋傷害を評価した研究である。本研究の目的は、心筋梗塞後のMDCTによる遅延造影像が急性期左室内血栓症、慢性期の全身塞栓症および、急性の腎障害、心不全や心血管死亡などの心血管イベントの発症を予測しうるかを検証することである。左室内血栓症は急性心筋梗塞患者の4~15%程度に生じる合併症であり、脳梗塞を含む全身塞栓症の原因となり、発症後のADLの低下や死亡に関連する。また、急性心筋梗塞の急性期に急性腎障害の発症は慢性期の心血管イベントの発生と関連していることが報告されている。そのため、左室内血栓症の発症や急性腎障害の発症を来しうるハイリスク患者を同定することは臨床上重要な情報となる。これまでに約300症例が対象患者として登録されており、現在5年~10年程度の長期予後の評価を行っている。本年の研究実績としては、2023年8月に開催された第31回日本心血管インターベンション治療学会で急性心筋梗塞後のMDCTによる遅延造影像が急性の腎障害および長期心血管イベントの発症を予測することを報告した。現在、予定していた登録症例数に達しており、慢性期の心血管イベントの発生の観察、解析を行なっており、結果が揃い次第論文作成を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた症例の登録数に達し、急性期および慢性期のイベントの評価もおおよそ評価できている。現在明らかとなった研究成果に関する論文作成を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今回の研究で得られた①心筋梗塞後のMDCTによる遅延造影像と急性期左室内血栓症、慢性期の全身塞栓症との関連、および②急性腎障害と慢性期の心血管イベント発症との関連に関して論文作成を行っていく。
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