研究課題
若手研究
・学術的「問い」は,「心外膜由来前駆脂肪をベージュ脂肪細胞へ分化誘導する方法を開発すれば,心房筋に浸潤する心外膜脂肪の量を減らし,質を改善させることが可能になり,心房細動の基質を形成する心房線維化を制御できるのではないか?」である。・目的は,「心外膜由来前駆脂肪細胞を,ベージュ脂肪へ分化誘導し,“心房筋に浸潤する心外膜脂肪の量と質の制御”により,線維化をともなった脂肪浸潤を減少させ,心房細動の抑制を可能にする」 ことである。・本研究の成果は,“心房筋に浸潤する心外膜脂肪の量と質の制御”を目的とした新たな治療法を将来的に可能とし,心房細動の治療を飛躍的に向上させることへの布石となる。
本研究の学術的「問い」は,「心外膜由来前駆脂肪細胞を特定の脂肪細胞へ分化誘導する方法を開発すれば,心房筋に浸潤する心外膜脂肪の量を減らし,質を改善させることが可能になり,心房細動の基質を形成する心房線維化を制御できるのではないか?」である。学術的「問い」を解決するために,これまで,ヒト心外膜由来前駆脂肪(間葉系)細胞を用いた解析として,開心術の際に得られるヒト心房組織初代培養 前駆脂肪細胞を用いて,心外膜由来前駆脂肪細胞へ分化誘導を行った。経時的に,細胞染色による観察と,マイクロアレイ法,RT-PCR法を用いて,mRNA発現の網羅的解析と比較を行い,ヒト心外膜由来前駆脂肪細胞が,どのような経時的変化を経て,分化誘導されるかを検討した。さらに,マウス生体モデルを用いて,脂肪細胞の分化誘導を行い,組織学的・生化学的に分化誘導,脂肪の量・質の変化を評価し,検討を行った。生体において脂肪細胞が分化誘導される割合や分布,時間,また脂肪組織自体の量と質を解析中である。さらに,より細かい観察を行うため,マウス由来不死化脂肪前駆細胞と,フローサイトメトリーにより単離した初代培養脂肪前駆細胞を用いて分化誘導をしたものについても解析中である。ヒト組織の収集と保存は現時点で700症例を超える。
2: おおむね順調に進展している
これまで,ヒト心外膜由来前駆脂肪(間葉系)細胞を用いた解析として,開心術の際に得られるヒト心房組織初代培養 前駆脂肪細胞を用いて,心外膜由来前駆脂肪細胞へ分化誘導を行った。経時的に,細胞染色による観察と,マイクロアレイ法,RT-PCR法を用いて,mRNA発現の網羅的解析と比較を行っており,ヒト心外膜由来前駆脂肪細胞が,どのような経時的変化を経て,分化誘導されるかを検討している。さらに,マウス生体モデルを用いて,脂肪細胞の分化誘導を行い,組織学的・生化学的に分化誘導,脂肪の量・質の変化を評価し,検討を行っている。生体において脂肪細胞が分化誘導される割合や分布,時間,また脂肪組織自体の量と質を解析中である。さらに,より細かい観察を行うため,マウス由来不死化脂肪前駆細胞と,フローサイトメトリーにより単離した初代培養脂肪前駆細胞を用いて分化誘導をしたものについても解析中である。ヒト組織の収集と保存はおおむね順調に進んでおり,現時点で700症例を超える。
今後,ヒト・ラット心房組織 器官培養を用いた解析として,これまでに確立した,単離した心房組織を器官培養し,外膜側に惹起される炎症と線維化を経時的に観察できるシステムを用いる予定である。脂肪の量と質が変化するかを,マイクロアレイ法,RT-PCR法によるmRNAの発現解析,フローサイトメトリー法による細胞プロファイルの変化,連続切片を用いた組織診断(Masson-Trichrome染色, Perillipin染色,透過電子顕微鏡での観察等),を行い評価・検討する。引き続き,より細かい観察を行うため,マウス由来不死化脂肪前駆細胞と,フローサイトメトリーにより単離した初代培養脂肪前駆細胞を用いて分化誘導をしたものについても解析を行っていく。ヒト組織の収集と保存はおおむね順調に進んでおり,現時点で700症例を超え,今後も継続する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
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