研究課題
若手研究
本研究では、大動脈弁狭窄症(Aortic Stenosis: AS)の進行に対する予防・治療アプローチを開発することを目標とし、ASの進行メカニズムを動脈硬化と比較しながら検討する。具体的には、ASが進行して経カテーテル的大動脈弁植え込み術が施行された症例の血清から骨代謝・炎症・動脈硬化・加齢関連のバイオマーカーと、エクソソーム micro RNAとnon-coding RNA をスクリーニングし、胸部CT画像から大動脈弁・下行大動脈・冠動脈の石灰化を定量化したものとの相関を検討することで、大動脈弁石灰化に特異的に関連するバイオマーカーを特定しうる。
本研究は大動脈弁狭窄症(Aortic Stenosis: AS)の進行に対する予防・治療アプローチを開発することを目標とし、ASが進行して経カテーテル的大動脈弁植え込み術(Transcatheter aortic valve implantation: TAVI)が施行された症例を対象とし研究した。臨床疫学研究とトランスレーショナル研究の両側面から、TAVI後の予後規定因子を同定し、その有用性を検討しさらにはASの進行に対する予防・治療アプローチの開発につながるようなASの進行メカニズムを、動脈硬化の進行メカニズムと比較しながら検討した。
多施設共同TAVIレジストリデータベースを用いた臨床・疫学的な視点からの解析では、数年以上の中長期的な予後に影響を及ぼす因子を検討し、TAVI後に肺高血圧が残存することが予後不良因子となることを示した。この知見は肺高血圧が不可逆になる前に弁置換を行う必要があることを示唆している。TAVIを施行された症例の血清のHDL機能(組織からコレステロールを回収する能力: コレステロール引き抜き能)を測定すると、男性でのみHDLによるコレステロール引き抜き能が高いほど、大動脈弁石灰化が少ないことが明らかとなった。今後、HDLのコレステロール引き抜き能を規定する因子の数値化も含めさらなる検討が必要である。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 21件、 招待講演 3件)
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